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哲学専攻(修士課程)

哲学専攻の特色
本専攻では、哲学や宗教について専門的・包括的な研究を行っている。専門領域としては【哲学・思想史】【キリスト教学】【美学・芸術学】があるが、それぞれの領域は多くの部分で重なり合っているため、どの授業を受講しても修士課程での勉学や修士論文の執筆に役立つものとなっている。また毎年さまざまな領域の専門家を非常勤講師として迎えることにより、より多面的な視野を獲得できるよう配慮している。
修士論文は、上記三領域のいずれかで執筆するが、さまざまな領域の授業に積極的に参加することにより、真に高い専門性を身につけることが可能となる。特に初年度は自由に幅広い領域の授業に参加することが望まれる。
修士論文の作成にあたっては、指導教員の論文演習においてきめ細かい指導を受けることができるほか、副指導教員や他の教員からもアドバイスを受けられる。なお、修士論文では、外国語や古典語の文献を参照する機会も多いため、本専攻では語学能力の育成にも力を注いでいる。修了生の進路は、一般企業への就職のほか、中学校・高等学校の教員への採用、博士後期課程への進学などがある。
社会人の皆さん・教職を目指す皆さんへ
社会生活を営む過程で得た切実な問題意識をあらためて哲学的に深く考えてみることは大変有意義なことである。本専攻では「社会人特別選抜」や「長期履修学生制度」を利用して、そのような思索にチャレンジすることが可能である。
また本専攻では、教職科目の履修により社会・公民・宗教の専修免許を取得することができる。なかでも宗教科の専修免許を取得できる大学院は限られているため、修士の学位と併せてこうした免許を取得できることは本専攻の特色である。

研究分野・領域

哲学・思想史の領域

プラトンやアリストテレスを中心とする古代ギリシア・ローマの哲学、アウグスティヌスやアクィナスに代表される初期キリスト教哲学やスコラ哲学、ホッブズ、デカルト、スピノザ、ライプニッツを主とした近世哲学、ロックやヒュームの経験的認識論、カントの先験的認識論、宗教的あるいは非宗教的な実存哲学、生命倫理や環境倫理などの根拠づけでもある現代倫理学、分析哲学、心の哲学、古代から現代までの日本思想など、多角的な視点からの研究を行っている。

キリスト教学の領域

ギリシア語聖書や、古代の教父思想、中世のスコラ哲学、現代社会における新たな課題と現代神学の展開、キリスト教的価値観の動揺と刷新、神秘体験や霊的体験の意味、日本におけるキリスト教の受容や日本人の宗教観・死生観、宗教画や典礼音楽に代表されるキリスト教芸術など、さまざまな形態をとってあらわれる宗教性や精神性について、多角的な視点から研究を行っている。

美学・芸術学の領域

美学一般について伝統的思想と今日の尖鋭な問題意識との対比を際立たせ、さらには美術史学の原理論をも含めた芸術学の問題に新たな光をあてる。美と芸術の思索の哲学的根拠づけ、思想家の芸術論、日本・西洋・東洋美術史、音楽理論や音楽史など、理論から個別芸術論まで、美学・芸術学にかかわる諸問題を扱う。

専任教員の研究領域

近世ヨーロッパの哲学者たち、具体的にはホッブズ、デカルト、スピノザ、ライプニッツ等の哲学を主たる研究対象としている。「科学革命」と「市民革命」の始まりの時代に彼らの哲学がいかにして私たちの知る「西洋近代」の誕生に関わり、しかもそれを超える「ポスト・モダン」的な思考の可能性を宿していたかを探っている。

専門は、トマス・アクィナスを中心とする西洋13世紀におけるキリスト教神学・哲学、アリストテレス哲学の受容。 関連してギリシア哲学、倫理学全般、生命倫理学など。

専門分野は美学芸術学。美しさの体験と芸術制作とをそれぞれ価値の体験とその実現との典型と見なし、これが哲学的に妥当するかどうか、価値論的考察を基に思索する。その際、現実的世界の中で生きはたらく主体的自己存在者がどのように自らの置かれた場からはたらきかけを受け、場に対してはたらき返すか、その仕組みを問いつつ、美と芸術との内的連関を模索してゆく。

芸術作品の創作における作者の個的実存のあり方や、芸術的現象と共同体との関係を研究対象とした、美学・芸術学。特にガブリエル・マルセルを中心とした、20世紀フランスの実存思想・演劇論の研究。

佐藤 紀子

フランス第三共和政期の同化ユダヤ人哲学者やその周縁の社会活動家たちの動向を中心に、社会的課題における哲学的・宗教的実践について研究している。

日本倫理思想史。日本の宗教思想における宗教と倫理の関係のあり方、神仏の捉え方や信仰心についての研究。特に近代日本のキリスト教信仰の諸相、それらにおける在来思想・信仰の位置づけについて。

古代末期のローマ帝国において、キリスト教思想家たちがどのようにギリシア・ローマの思想に向かい合い、自らの思索を発展させていったのかについて、思想史的観点から研究を行っている。

開講科目

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修士論文題目

年度(修了生)題目
2023(令和5)年度
  • 普遍的指令主義から選好功利主義へ ―ヘアの道徳哲学における規範倫理学理論の導出過程をめぐる考察―
  • ペドロ・アルペと山口 ―フランシスコ・ザビエルから20世紀までの霊性神学的俯瞰―
  • 自己の在り方における多元性 ―人間の制約と自由―
  • レヴィナス後期思想における主体性と死についての研究 ―真摯さとしてのコミュニケーション―
2022(令和4)年度
  • アウグスティヌスの創世記解釈における天使の認識とその役割について
2021(令和3)年度
  • ジャック・デリダの動物論について ――ピーター・シンガーとの比較から――
2020(令和2)年度
  • 物語制作の技法とその適用 ――池波正太郎「狐雨」を中心として――
  • ボエティウスのアリストテレス『命題論』(16a3-8)の註解の考察
2019(平成31)年度
  • パブロ・ピカソの《イカロスの墜落》をめぐる考察 ――イカロス神話とその絵画的表現の歴史的変化――
2018(平成30)年度
  • カトリック中学校(中等教育学校前期課程)における今後の宗教教育のあり方に関する考察 ――「特別の教科 道徳」として教科化された道徳科に、法的に対応する宗教科のあり方――
  • レヴィナス『全体性と無限』における主体の生成と展開 ――「横たわること」から「住まうこと」へ――
2016(平成28)年度
  • ハイデガー初期思想における自己と他者の関係性への問い ――『存在と時間』における「死へかかわる現存在」から考察する――
  • 〈自然的世界〉・〈非人間的自然〉と人間の知覚の可能性 ――メルロ=ポンティにおける世界と身体の関わりから――
2015(平成27)年度
  • カラヴァッジョ ──《聖トマスの不信》に関する考察──
  • 河井寛次郎の制作論的思索 ──制作における「背後のもの」をめぐって──
  • ライプニッツの哲学における「可能的なもの」の役割 ──偶然性による現実存在の肯定──
2014(平成26)年度
  • 共観福音書における「隣人愛」 ―イエスの史実をめぐって―
  • 今西錦司の自然学とその可能性
  • ヨハネ福音書におけるペトロのキャラクター分析
  • シャフツベリにおける形成の美学 ―カドワースの「形成的自然」概念の継承をめぐる一論考―
2013(平成25)年度
  • カント『判断力批判』における「目的論的判断力」について ―批判哲学の体系と目的論の使用―
  • 日本人によるキリスト教美術における信仰表現 ―長谷川路可の作品を通して―
2012(平成24)年度
  • 『パイドン』におけるミュートス ―プラトン哲学の再考―
2011(平成23)年度
  • ショーペンハウアー哲学へのインド思想の影響 -「タット・トヴァム・アシ」の記述をめぐる一考察-
  • アウラ喪失を出発点とする映画の可能性 -第二稿『機械化された複製の時代における芸術作品』と第三稿『技術的複製可能性の時代における芸術作品』の異同分析を通して-
2010(平成22)年度
  • ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』における目的論的構造と同情論の意義 -ミヒャエル・ハウスケラーの解釈をめぐって-
  • ショーペンハウアーの意志の形而上学とエロース論 -トーマス・マンとワーグナーの評価をめぐって-
  • 世阿弥能楽論書における観客と「一座成就」
2009(平成21)年度
  • ドゥルーズのスピノザ論における「属性」をめぐる解釈
  • 九鬼周造の思想形成における『「いき」の構造』の位置 -方法論と運命論の形成期として-
2008(平成20)年度
  • 江戸期画壇における木挽町狩野家の影響 -二代養朴常信の木挽町家における影響-
  • 『茶の本』における岡倉覚三の人間観
2007(平成19)年度
  • ニーチェにおける「仮象」について -芸術の問題を中心に-
  • キリスト教における自己愛
  • 荻生徂徠における「君子」と「小人」 -その内面的差異について-