人間科学専攻(博士前期課程)
- 専攻の構成と特徴
- 本専攻は、教育学分野の【教育研究】領域ならびに心理学分野の【視聴覚情報研究】領域、【発達心理学研究】領域、【臨床心理学研究】領域の4研究領域によって構成され、更にそれらを支える共通の基礎として「人間科学基礎論」の領域が置かれている。すなわち、本専攻では専攻生全員がまず「人間科学基礎論」において、人間の心的過程及び行動全般を支える感覚、学習、記憶の心理学及び脳神経科学、進化生物学などに関する基礎的知識を習得すると共に、人間性と人間の教育に関する哲学的・社会歴史的理解を深める。そしてその上で、【教育研究】【視聴覚情報研究】【発達心理学研究】【臨床心理学研究】の4研究領域のうちいずれか一つを選択し、修士論文を作成することになる。
各研究領域には別項で説明されているような専門分野の専任教員及び兼任講師が配置され、多彩な授業・研究指導を受けることができる。
なお入学試験の際には、教育研究・視聴覚情報研究・発達心理学研究・臨床心理学研究のいずれかの領域を選択して受験することになる。 - 専攻修了後の進路
- 【教育研究】領域修了後は、就学前教育・初等教育・中等教育の現場で指導的な役割を担う人材として、教育・福祉関係の専門家、生涯学習、マスメディア、情報、デザイン、アートなどの分野で新しい領域と方法を開発することができる人材として、また、NPO、NGO、国際教育関係に貢献する人材として活躍することが期待される。
【視聴覚情報研究】【発達心理学研究】【臨床心理学研究】の3領域は、修了後博士後期課程に進学すること、【臨床心理学研究】領域では、医療機関・教育相談機関などに心理臨床の専門家として勤務することなどが期待される。 - 委託聴講制度
- 人間科学専攻【教育研究】領域を対象とした委託聴講制度は、青山学院大学大学院教育人間科学研究科教育学専攻および東洋大学大学院文学研究科教育学専攻との単位互換に関する協定に基づくもので、学生が研究上の必要により、上記大学院の開講科目を履修しようとする場合に許可されるものである。
【視聴覚情報研究】【発達心理学研究】【臨床心理学研究】の3領域を対象とした委託聴講制度は、青山学院大学大学院教育人間科学研究科心理学専攻との委託聴講生に関する協定に基づくもので、学生が研究上の必要により、上記大学院の講義科目を履修しようとする場合に委託される聴講制度である。いずれも単位の認定は10単位以内である。
教育研究領域
教育実践研究
乳幼児教育および初等中等教育をめぐる諸問題、新しい領域のカリキュラム開発、教師教育や保育・授業研究等に関する理論的・実践的研究を行う。
生涯学習研究
地域社会、家庭、職場その他社会における子ども・青年・成人・高齢者までの学習活動や学習環境に関する実践的研究、生涯学習の理論やシステムに関する研究を行う。
国際教育研究
海外の教育事情や国際機関・NGOの活動に関心のある学生に対し、グローバルとローカルの双方向の視点から諸外国の教育制度・政策、国際教育協力や持続可能な開発のための教育(ESD)について研究を行う。
上記3分野が重複する研究課題の設定も可能であり、いずれの分野においても教育現場に関心のある社会人および現職教員を歓迎する。幼・小・中・高の専修免許取得も可能である。
視聴覚情報研究・発達心理学研究・臨床心理学研究領域
視聴覚情報研究領域
視、聴、触知覚などの知覚的情報処理のメカニズム、あるいはその発達や発達障害、さらには、これらの応用について学ぶ。
また、カリキュラム構成は、本領域以外に【発達心理学研究】【臨床心理学研究】の履修も求められるなど、他領域について学ぶように意図されている。これにより、広い視野を獲得することができ、そのような知見を自分の専門領域の理解を深めていくために利用できることが、本専攻の特長である。
発達心理学研究領域
乳児から老年までのさまざまな発達の様相、発達の仕組み、また、発達を規定する生物学的、文化・社会的要因について学ぶ。
また、カリキュラム構成は、本領域以外に【視聴覚情報研究】【臨床心理学研究】の履修も求められるなど、他領域について学ぶように意図されている。これにより、広い視野を獲得することができ、そのような知見を自分の専門領域の理解を深めていくために利用できることが、本専攻の特長である。
臨床心理学研究領域
多様な心理的問題と、その問題を抱える人への援助について、理論的学習に加えて、臨床心理査定や面接の技法等を学内、学外での実習を通して学ぶ。カリキュラム構成は、本領域以外に【視聴覚情報研究】【発達心理学研究】の履修も求められるなど、他領域について学ぶように意図されている。これにより、広い視野を獲得することができ、そのような知見を自分の専門領域の理解を深めていくために利用できることが、本専攻の特長である。また、本学に設置されている心理教育相談所において心理面接など支援実践に関わると同時に、全員が外部の医療・教育領域の施設において長期の実習を経験する。この領域は、臨床心理士と公認心理師両方の受験資格を得られるカリキュラムを整えている。
専任教員の研究領域
教育研究領域
今川 恭子 教授
乳幼児期を基点とした、音楽的表現の形成過程および音楽学習の系統性の研究。昭和初期の学校音楽教育の調査等も通して、人間が音楽を学ぶことの意味の探求に取り組んでいる。
植田 誠治 教授
健康教育、学校保健、健康行動の研究。からだとこころを豊かに育む学習と学校保健諸活動の実践と評価、諸外国の動向調査、健康行動や不健康な行動に関わる心理的・社会的要因の分析に取り組んでいる。
小山 裕樹 准教授
教育哲学・教育思想史。特に18・19 世紀のドイツを対象としながら、近代教育のあり方について哲学的・思想史的な観点から研究を進めている。さらに、現代社会において成熟し自律するとはどういうことかを考えている。
加藤 洋子 教授
児童家庭福祉論。子どもの人権擁護の観点から子どもや家族への支援のあり方と、社会的用養育(里親等の家庭養護・施設養護)・児童虐待防止・子どもの貧困などに関する研究に取り組んでいる。
河邉 貴子 教授
幼児教育の理論と実践。幼小連携教育。遊びは幼児期の重要な学習であることの定着深化を目指し、幼児理解と援助論、カリキュラム論、保育記録論などに取り組んでいる。
木下 ひさし 教授
国語科教育専攻。文学教育および綴方教育を基盤にした言語主体形成のための国語科授業づくりの実践。子どものことばや教材の在り方についてのより教室現場に近い立場での研究を行っている。
斉藤 萌木 専任講師
人が対話をとおして理解を深める仕組の研究が専門。学校現場と連携し、ICTも活用した子ども中心の授業づくりによる教師の力量工向上プロジェクトの企画運営に携わりながら、学びの理論と実践の相互深化を目指している。
澤野 由紀子 教授
比較教育学、生涯学習論。北欧、ロシアを含むヨーロッパの生涯学習政策の比較研究、地域や組織における学習共同体の構築のあり方と生涯学習の効果に関する研究に取り組んでいる。
杉原 真晃 教授
教育方法学・幼児教育・初等教育・高等教育における学習のしくみ、評価のあり方などについての研究をしている。子ども・保護者・地域社会との協同的な学びの形成、学習環境づくり、子育て支援、教員の資質・能力の向上などを追求している。
髙嶋 景子 教授
乳幼児期の教育・保育および子育て支援の実践研究。子どもの主体的な育ちを支える多様な人(子ども同士、保護者、保育者等)やモノや場の関係構造に着目し、その変容過程について探求している。
永田 佳之 教授
「豊かな教育社会とは何か」をテーマに、持続発展教育(ESD)、国際理解(多文化共生)教育、ホリスティック教育、国際教育協力などに取り組んでいる。
朴 京眞 専任講師
体育科教育、舞踊教育の研究。体育科カリキュラムの国際比較研究、幼児から大学体育、生涯体育に至るまでの体育とダンスリテラシーに関する教育研究、ダンス教育の質的向上のための教師教育研究に取り組んでいる。
水島 尚喜 教授
初等及び中等美術教育学。カンボジア王国美術科ナショナル・カリキュラム及び国定教科書の作成協力、教員養成支援。美術教育のカリキュラムの調査と開発。図画工作科及び美術科の教科書研究。
心理学基礎研究領域
石黒 千晶 専任講師
認知科学、教育心理学が専門。どうすれば創造性が発揮できるかについて基礎的な研究を行いながら、学校・職場・美術館などさまざまな場での学びや創造性の発揮を支援する場づくりに携わっている。
永井 淳一 教授
専門は視覚認知に関する認知心理学。人間が、目に映る視覚情報をどのように処理しているのかを実験的に検討している。
発達臨床研究領域
岸本 健 教授
乳幼児のコミュニケーション能力の発達が専門である。乳幼児は言語をまだ十分に操れないが、「指さし」などの身振りで他者と意思疎通を図る。こうした身振りと、後の言語発達との関連を調べている。
神前 裕子 准教授
エイジングや高齢者介護など、高齢者に関する事象に興味がある。超高齢社会の中で、皆が安心して暮らしていくためには何が必要かを検討するために、老年期に関する研究をしている。
小林 真理子 教授
これまで病院(児童精神科・小児科・精神腫瘍科)や学校・地域で、子どもと家庭を対象に心理臨床および実践研究に従事してきた。現在は、小児・思春期・若年世代のがん患者と家族の心理的支援と臨床研究に取り組んでいる。
永島 絵理子 助教
これまで周産期医療の領域で妊産婦と家族の心のケア、子どもの発達支援等に携わってきた。様々な理由で新生児集中治療室に入院となった赤ちゃんとその家族への心理的な支援の在り方などについて研究を行っている。
平井 美佳 教授
専門は臨床心理学、発達心理学。人が自律性と関係性のバランスをいかに取るのかについて「自己と他者の調整」と呼び、その生涯発達、および、適応や文化との関わりについて研究している。臨床実践ではこの立場に基づき、家族を含む重要な他者との関係に焦点を当てた心理学的援助に取り組んでいる。
平部 正樹 准教授
専門は臨床心理学、精神保健学。疾患や障害を持つ人のウェルビーイングに関する研究を主に行いながら、医療領域、教育領域、産業領域での心理支援の実践に従事してきている。
増田 紗弓 助教
専門は臨床心理学。これまで公立学校のスクールカウンセラー、病院のペインクリニックや緩和ケア病棟で心理臨床に従事してきた。身体疾患(主にがん)を持つ方や慢性的な痛みを抱えた方への心理支援に関する研究を行っている。
向井 隆代 教授
思春期青年期の発達と適応に関し、問題行動や摂食障害の関連因子の研究を行ってきた。最近は発達の可塑性に関わる要因についてリスク・グループを対象に縦断的な研究を行っている。
開講科目
シラバス検索システムサイト委託聴講制度
人間科学専攻生・教育研究分野
この制度は、青山学院大学大学院教育人間科学研究科教育学専攻および東洋大学大学院文学研究科教育学専攻との単位互換に関する協定に基づくもので、学生が研究上の必要により、上記大学院の開講科目を履修しようとする場合に許可されるものである。
ただし単位の認定は10単位以内である。
人間科学専攻生・心理学分野
この制度は、青山学院大学大学院教育人間科学研究科心理学専攻との委託聴講生に関する協定に基づくもので、学生が研究上の必要により、上記大学院の講義科目を履修しようとする場合に委託される聴講制度である。
ただし単位の認定は10単位以内である。
修士論文題目
年度(修了生) | 題目 |
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2023(令和5)年度 |
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2022(令和4)年度 |
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2021(令和3)年度 |
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2020(令和2)年度 |
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2019(平成31)年度 |
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2018(平成30)年度 |
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2017(平成29)年度 |
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2016(平成28)年度 |
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2015(平成27)年度 |
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2014(平成26(年度 |
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2013(平成25)年度 |
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2012(平成24)年度 |
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2011(平成23)年度 |
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2010(平成22)年度 |
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2009(平成21)年度 |
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2008(平成20)年度 |
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2007(平成19)年度 |
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