研究テーマの内容、研究活動
保育の場において子どもたちは、さまざまな人やモノ、出来事と出会い、それらとかかわり合いながら学びを深めています。子どもたちが、そのような周囲の人やモノや出来事に興味や関心をもって、自分なりに試行錯誤を重ねつつ、様々な発見や探究を楽しんでいくような対話的な学びや育ちの過程がどのように生まれてくるのか、また、それらを支えている周囲の関係構造に興味をもち、保育園や幼稚園、認定こども園などの保育の場に継続的にお邪魔させていただきながら、その園の先生方と一緒に子どもたちの学びや育ちの過程を読み解いていくことを試みています。
また、そのような子どもたちの多様な他者やモノとのかかわりの深まりを分析する過程を通して、それらの過程を支える保育の営みそのものや、そこでの保育者や保護者の変容や、その学び合い、育ち合いの過程にも興味をもち、研究を行っています。特に、近年では、子どもたちが様々な人やモノと対話している「声」に丁寧に耳を傾け、子どもたちの主体的な探究に寄り添い、支えていく同伴者としての保育者のかかわりや専門性に着目し、そのような保育者の学びが生まれるような園内の関係構造や研修(園内研修、園外研修)の在り方についても探究しています。
研究テーマの意義・面白さ
保育の場において子どもたちが見せてくれる様々な姿を見ていると、子どもたちのかかわりの世界の面白さと奥深さに魅了されます。
子どもたちの行為やかかわりには、必ず、その子なりの「意味」や「理由」があり、それぞれの子が自分なりに周囲の人やモノとのかかわりを真剣に模索する中で生み出されている姿であることに気づかされます。一人ひとりの子どもの姿や行為に隠された「意味」や「理由」を読み解いていくことで、それぞれの子どもが、どのように周囲の他者やモノとかかわろうとしているのか、どのように自らがかかわる世界を広げようとしているのかが見えてきます。そのような子どもたちのかかわりの世界に目を向けていくことで、一人ひとりの子どもが、主体的な学び手として生き生きと輝き、互いを尊重し合いながら、豊かな学びを紡いでいくことができるような保育の在りようを探究していきたいと思っています。