研究テーマの内容、研究活動
私の研究は、外国人とのコミュニケーション全般を扱っています。具体的には「わかりやすい日本語とはどういうものか?」「公共サインは外国人に伝わっているのか?」「日本語の授業ではどんな文法を教えるべきか?」などです。
ここでは「わかりやすい日本語」について少し紹介しますが、最近は「やさしい日本語」という言い方をします。みなさんの周りには、話のうまい人(言っていることがスコンと理解できる人)と、何を言っているのかわかりにくい人がいませんか?話のわかりやすい(わかりにくい)というのは分析してみると複合的な理由があります。ほとんどの人はセンスで日本語を話しますが、日本語の表現をじっくり考察してみるといろいろなことがわかります。
少しだけ紹介すると、丁寧すぎる話し方はわかりにくくなります。また、情報を詳細に伝えようとすると話がわかりにくくなります。丁寧に話したい、話の詳細を伝えたいというのは善意に基づいた行為です。よかれと思ってやっていることが、相手にとって難解になっているとするなら困ったものですね。「やさしい日本語」の技術は、実は外国人のためだけではなく、知的障害がある方、高齢の方など、多くの人に有効であることがわかっています。
研究テーマの意義・面白さ
私が関わっている研究は、社会の課題に直結しています。いろいろな現場の人と会って話ができるところが面白さの一つです。2019年に入管法が改正され、外国人労働者の受け入れが始まりました。各地の行政機関関係者、学校関係者、医療関係者などは外国人住民を受け入れるにあたり、「やさしい日本語」の研修に取り組んでいます。そういった研修に講師として参加しています。
日本在住の外国人には英語話者が思ったほどいないので、日本語の方がずっと伝わることがわかってきました。ですから、これから外国籍の方と日本語でコミュニケーションをとる機会が増えると思います。社会で起こっている問題にコミュニケーションの視点から解決策を提案していきたいと考えています。
以下の動画は、新型コロナウイルスの検査を「やさしい日本語」で行うためのポイント説明です。病気になるのは日本人だけではないのです。
https://www.youtube.com/watch?v=nwne978lJBc