コード HD72-01
授業科目 キリスト教学演習Ⅱ
副題 (トマス・アクィナス『神学大全』の研究)
副専攻 H1
特記事項
担当者 加藤 和哉
単位 4
期・曜時 通年 木2
対象学年 2・3・4年

学習目標
 「神学」とは全世界の究極の根拠、人間の根本的存在理由についての哲学的探求のことです。キリスト教と関わりを持った西洋の哲学は、2000年間この問題を様々なかたちで探求してきました。
 その「神学」の古典中の古典とされるトマス・アクィナスの『神学大全』を読みます。これを通して、西洋哲学全体を貫く根本的な思考のかたちに触れることができるでしょう。
授業概要
 今学期から始まります。『神学大全』第Ⅰ部第1問題から読み始めます。この部分は、究極的な真理を扱う学問である「神学」の方法や特徴が検討されます。
 授業は、テクストを一節一節丁寧に読み解きながら、その内容的理解を目指すとともに、そこで扱われている哲学的問題を考えていきます。
テキスト
 『トマス・アクィナス』(山田晶訳)中公バックス「世界の名著 続5」中央公論社 1975年
 絶版のため、テクストはコピーして配布します。
参考文献・課題図書
 稲垣良典『トマス・アクィナス』講談社学術文庫
 中川純男(責任編集)『哲学の歴史3 神との対話』中央公論新社
 神崎繁・熊野純彦・鈴木泉(編)『西洋哲学史II 「知」の変貌・「信」の階梯』(講談社選書メチエ512)講談社
受講生への要望
 専門的な予備知識、ラテン語の知識などは前提としません。テクスト講読の下準備を毎回行ってください。全員に毎回短いシラバスを作成してもらいます。
評価方法
 平常点。
授業計画
1.前期授業打ち合わせ。授業の進め方について。トマス・アクィナスについて。テクストについて。
2.スコラ学の方法について。
3.『神学大全』第Ⅰ部序言
4.第Ⅰ部第1問題「聖なる教について」の構成
5.第1項「哲学的諸学問以外に別の教を持つ必要があるか」
6.同前
7.第2項「聖なる教は学であるか」
8.同前 
9.第3項「聖なる教は一つの学であるか」
10.同前
11.第4項「聖なる教は実践的学であるか」
12.同前
13.第5項「聖なる教は他の諸学よりも高位のものであるか」
14.同前
15.前期まとめ
16.後期授業打ち合わせ
17.第6項「この教は知恵であるか」
18.同前
19.第7項「この学の主題は神であるか」
20.同前
21.第8項「この教は論証的であるか」
22.同前
23.第9項「聖書は比喩を用いるべきであるか」
24.同前
25.第10項「聖書は一つの文字のもとにいくつかの意味を含むか」
26.同前
27.トマス・アクィナスの神学の方法について
28.同時代の他の神学テクストについて
29.同前
30.後期まとめ
自由記述欄
 神学は、信仰者のためだけのものではありません。世界と人間が存在する根拠や理由にせまる根本的な思索に触れて欲しいと思います

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