コード
EG14-01
授業科目
文化人類学特講4
副題
(イスラームとジェンダー)
副専攻
A2・E1
特記事項
担当者
大川 真由子
単位
2
期・曜時
後期 火4
対象学年
2・3・4年
学習目標
文化人類学的視点から中東イスラーム社会における女性の日常を紹介し、女性の地位やジェンダー、フェミニズムについて考えていく。イスラームにおけるジェンダーを学ぶことを通じて、最終的にはグローバル化のなかで我々が経験している社会の変化や問題を多面的かつ柔軟に理解する視点を身につけたい。
授業概要
「ムスリム女性の地位は低い」「彼女たちは抑圧されている」といわれることもあるが、はたして本当だろうか。イスラームは狭義の宗教の範疇を超えて、社会生活全般を規定するものである以上、彼女たちの地位あるいは彼女たちをめぐる語りはイスラームとの関わりの中で考えていかなくてはならない。この授業では、中東地域のムスリム女性の日常的な暮らしを紹介し、イスラームが現代社会という文脈のなかでどのような機能を果たしているのかについて考えていく。まずはイスラームおよびジェンダー論の基礎知識を習得したうえで、結婚やヴェール、性といった問題をイスラームの観点から扱っていく。広尾のオマーン大使館への訪問も計画している。
テキスト
特定の教科書は使用しない。毎回ハンドアウトを配布し、テーマごとの参考文献を提示する。
参考文献・課題図書
アハメド、L. 2000 『イスラームにおける女性とジェンダー――近代論争の歴史的根源』(林正雄ほか訳)、法政大学出版局。
加藤博(編) 2005 『イスラームの性と文化』(イスラーム地域研究叢書6)東京大学出版会。
ミール=ホセイニー、Z. 2004 『イスラームとジェンダー――現代イランの宗教論争』(山岸智子ほか訳)、明石書店。
受講生への要望
イスラーム教徒の視点から多様な事象を考察することで、我々が陥りやすいイスラームの一枚岩的なイメージからの脱却を試みたい。私語は厳禁、まじめな態度で臨む受講生を歓迎する。
評価方法
出席状況(30%)、学期末の試験(60%)および受講態度(10%)で評価する。試験はノート持ち込み可の論述形式。
授業計画
1.イントロダクション:中東・イスラームの人類学とは
2.イスラーム入門:イスラームの基本的考え方
3.イスラームの教義における女性
4.ジェンダー論
5.ムスリム女性の日々の生活と地位
6.家族と結婚
7.アラブ世界における女性解放運動
8.イスラームとヴェールⅠ:男女隔離とヒジャーブ
9.イスラームとヴェールⅡ:再ヴェール化と現代のヴェール
10.オマーン文化体験(オマーン大使館訪問)
11.セクシュアリティⅠ:イスラームにおける性規範
12.セクシュアリティⅡ:名誉殺人と女子割礼
13.オリエンタリズムとイスラーム理解に向けて
14.まとめ
15.試験
自由記述欄
Copyrights 2013 University of the Sacred Heart , Tokyo all rights reserved.
■BACK
■検索システムへ
■TOPへ