コード CC14-01
授業科目 古典文学演習Ⅳ
副題 (井原西鶴『懐硯』の考察)
副専攻 C1
特記事項
担当者 川元 ひとみ
単位 4
期・曜時 通年 木2
対象学年 2・3・4年

学習目標
 『懐硯』の個々の話の素材を確かめ、その素材の利用方法を探るとともに、西鶴の小説作法を考察する。そして、西鶴が伝えたいものはなにか、時代を隔てても共有できる感覚について、あるいは人間の営み、情愛というものについて思いをいたし、
江戸時代の人々の生きざまを通して、自分自身の内面をみつめなおすきっかけとすることが、本授業のねらいである。
授業概要
 演習授業であるから、割り当てられた担当箇所について、調査し、資料作成と発表を行う。出典の確認を行うことが基本であるが、前期では実際に西鶴の作品を用いて短編を創作し、素材をどのように用いて新たな作品を生み出すのかということを実践する。また、後期は、その実践を土台に、西鶴の小説作法についてさらに考えを深めていく。
テキスト
 『西鶴選集 懐硯』(翻刻)箕輪吉次編・おうふう・2800円
参考文献・課題図書
 授業時に指示する。
受講生への要望
 次の課題に入る前に、必ず本文を熟読しておくこと。その際、現代語訳などで安易に筋を追うのではなく、不明な語句に関しては、辞書を引いて確認することを基本姿勢として欲しい。
 なお、この科目の受講希望者は、研究室で所定の手続きを済ませること。
評価方法
 前期の創作課題、後期の担当話に関するレポート、発表資料、発表態度等を総合して評価する。
授業計画
1.講義 近世の時代と散文学の特徴
2.講義 井原西鶴と浮世草子について
3.講義 懐硯の全体像と現在の研究に関する概要
4.演習 巻1-1「仁王門の綱」
5.演習 巻1-4「案内しってむかしの寝所」
6.演習 巻1-5「人の花散る疱瘡の山」
7.巻1に関する問題点の整理
8.演習 巻2-1「後家に成そこなひ」
9.演習 巻2-2「付けたき物は命に浮桶」
10.演習 巻2-4「鼓の色にまよふ人」
11.巻2に関する問題点の整理
12.演習 巻3-1「水浴は涙川」
13.演習 巻3-4「枕は残るあけぼのの縁」
14.西鶴作品の話を素材につくられた近代の作品等について
15.懐硯を素材として、各自短編小説の創作
16.作成した短編小説の発表
17.作成した短編小説の発表
18.演習 巻3-5「誰かは住し荒屋敷」
19.巻3に関する問題点の整理
20.演習 巻4-1「憂き目を見する竹の世の中」
21.演習 巻4-3「文字すわる松江の鱸」
22.演習 巻4-4「人真似は猿の行水」
23.演習 巻4-5「見て帰る地獄極楽」
24.巻4に関する問題点の整理
25.演習 巻5-1「俤の似せ男」
26.演習 巻5-4「織物屋の今中将姫」
27.演習 巻5-5「御代のさかりは江戸桜」
28.巻5に関する問題点の整理
29.全体を通して、いくつかの問題点を絞り込んでいく。
30.現段階での研究を踏まえて、各問題点の考察を行う。
自由記述欄
 

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