次の3つのテーマを少しずつスパイラル的に扱っていく。 ① 外国人にとって日本語はどのような難しさがあるか。 ② 外国語の学習にはどのような意味があるか。 ③ 日本語教育はどのような問題に関係しているか。 韓国では75万人以上もの高校生が、第2外国語として日本語を勉強している。それに対し、人口が約2倍の日本で韓国語を勉強している高校生は10000人に満たないだろう。 独立行政法人国際交流基金の調査によると、海外で日本語を学ぶ外国人は教室で勉強する人だけでも300万人を超えている。日本語教師の不足も問題となっている。日本語を教えに海外に出かけていく若い日本人も多い。 しかし、日本語を学ぶ多くの外国人にとって日本語が第2・第3外国語であることを十分に理解している日本人は少ないようだ。そこで、この授業では、私たち自身が、第2・第3外国語を学習する意味を考えることから始め、日本語教育に関連するさまざまな問題、たとえば経済格差、国際紛争、貧困、難民、偏見・差別、異文化間コミュニケーション、多言語多文化共生などについて考えたい。