コード
TJ27-01
授業科目
キリスト教学特論Ⅶ-1
副題
(《愛》の哲学 - そのヨーロッパ思想における展開と根本問題)
副専攻
特記事項
担当者
中村 秀樹
単位
2
期・曜時
前期 木4
対象学年
学部3・4年生も可
学習目標
1.ヨーロッパ思想の中心的主題の一つである《愛》を哲学的に考察することによって、その思想的拡がりと深さをとらえることを目指します。
2.重要な邦訳原典を読み解き、哲学的問題を体系的に考えてゆく方法を学びます。
授業概要
《愛》は、人間らしく生きるためにはきわめて重要な要素ですが、その本質を見ぬくことはそれほど容易ではありません。この授業では、ヨーロッパ思想における《愛》の哲学を扱うことを通して、その中心的問題を考えてゆきます。ヨーロッパ思想は、古典古代の思想的遺産が、キリスト教と出会い、その両者の相克の中でキリスト教を中心に形づくられたものです。このため授業では、その歴史的な展開を追いながら、《愛》をめぐる諸問題 - 欲求としての姿、知と愛の関係、愛の志向性と超越性、人間的生における意義 - を哲学的に考察してゆきます。その際、重要な原典を邦訳で読み解くことと、そこに現れてくる哲学的諸問題を体系的に考えてゆくこととを、演習と講義を組み合わせることによって追求したいと思います。
テキスト
重要な原典の邦訳コピーを教員が準備します。
参考文献・課題図書
授業で文献表により指示します。
受講生への要望
大学院と学部3・4年生共通の授業として開講します。思想史的な背景については説明をしますので予備知識はあまり重要ではなく、むしろ原典と取り組み、問題を自分で考える積極性が大切です。興味や関心をもっての参加を歓迎します。
評価方法
出席、積極的授業参加、最終レポートによって評価します。
授業計画
1.オリエンテーション:《愛》の哲学 - 愛を考えるとはどういうことか?
2.古代ギリシア思想(1):欲求論における愛
3.古代ギリシア思想(2):愛の人間論
4.初期キリスト教(1):背景としてのユダヤ教的愛の理解
5.初期キリスト教(2):イエスの福音における愛
6.初期キリスト教(3):パウロ思想における愛
7.新プラトン主義:一つになることへの憧れ
8.教父思想(1):三位一体論と愛の秩序
9.教父思想(2):ギリシア語圏における愛の存在論
10.中世思想(1):キリスト教神秘思想における愛
11.中世思想(2):知と愛の統合
12.中世思想(3):徳論と愛
13.近代思想:変遷する人間観における愛
14.現代思想(1):価値と愛
15.現代思想(2):愛と人格 授業全体の総括
自由記述欄
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