コード TG16-01
授業科目 比較文化研究特論Ⅵ
副題 (風土地理学)
副専攻
特記事項
担当者 阿部 一
単位 2
期・曜時 後期 水3
対象学年 学部4年生も可

学習目標
 環境は、伝統的・日常的な生活においては、客観的な科学の対象というより共同主観的な「風土」として現れており、それを理解することは、文化の基層を成す環境と人間の相互関係を明らかにすることである。本講義では、日本を含むユーラシア大陸の主要地域の風土について検討を加え、そこから見出される人間=環境関係の構造と、各地域の心性・宗教・芸術・社会構成などに共通する文化の基本的な構造との関係を明らかにしていきたい。
授業概要
 環境の共同主観的な現れである「風土」という観点から、文化の基層を成す人間=環境関係について学ぶ。まず代表的な風土論を取り上げ、それらの議論の構図を概観する。次に、自然とかかわりあう人間集団の最も基本的な単位である「家族」という観点から、日本を含むユーラシア大陸の主要地域の風土において見出される、人間=環境関係の構造と各地域の文化との関係について明らかにしていく。
テキスト
 
参考文献・課題図書
 鈴木秀夫『風土の構造』講談社学術文庫
 和辻哲郎『風土』岩波文庫
 オギュスタン・ベルク『風土の日本』ちくま学芸文庫
 ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄(上・下)』草思社文庫
受講生への要望
 
評価方法
 レポートで評価する。口頭発表・期末試験を課す場合もある。
授業計画
1.風土論の構図
2.鈴木秀夫の『風土の構造』
3.生態学的観点からの風土論(1):梅棹忠夫の『文明の生態史観』
4.生態学的観点からの風土論(2):ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』
5.現象学的観点からの風土論(1):和辻哲郎の『風土』
6.現象学的観点からの風土論(2):オギュスタン・ベルクの『風土の日本』
7.家族人類学的観点からの風土論(1):エマニュエル・トッドの『新ヨーロッパ大全』
8.家族人類学的観点からの風土論(2):日本の家族システム
9.家族システムの風土性と環境の「見かた」
10.宇宙観・世界観の風土性
11.宗教の風土性
12.芸術の風土性
13.社会組織の風土性
14.発表とレポートのオリエンテーション
15.レポート提出と発表
自由記述欄
 

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