コード
MA13-01
授業科目
英語史
副題
(現代英語の「不思議」な現象を歴史的に説明する。)
副専攻
特記事項
担当者
中村 幸一
単位
4
期・曜時
通年 金2
対象学年
2・3・4年
学習目標
現代英語には、「不規則」だったり、「不思議」に思われる現象がたくさんあります。man の複数形が men だったり、ドイツ語と似ている語があったり、フランス語とそっくりな語があったりします。そういう現象を英語の歴史から説明し、もやもやした感じを解消して、心に安らぎを得ること、そして、卒業後、英語を教えることがあったときにも役立てることができるようにすることが目標です。
授業概要
下記テクストを、学術的な英文読解の訓練を兼ねながら、正確に読み、適宜、説明を加えつつ、英語の歴史、とりわけ、現代英語の説明となる語、文法、意味について解説してゆきます。また、社会、歴史的な背景にもふれることになると思います。
テキスト
Norbert Schmitt and Richard Marsden,
Why Is English Like That?-Historical Answers to Hard ELT Questions.
参考文献・課題図書
中島文雄『英語発達史』(岩波全書)は高度ですが、便利です。最もやさしいものは渡部昇一『講談・英語の歴史』(PHP新書)でしょうか。座右の書として、縮刷版『英語語源辞典』(研究社)は常に参照するとよいです。
受講生への要望
和訳してください、と言って、指名することはしませんが(別の種類の問いかけはするかも知れません)、あらかじめ、辞書をよく引いて正確に英文を読んできてください。その方が、授業を(当たり前ですが)よく理解できると思います。
評価方法
年2回の試験(70%)と、場合によってはレポート等の質を総合して評価したいとお思います。毎回出席はとりますが(30%)、ただ出ていればいいというわけではありません:試験の点数が重要だと考えてください:だからといって、出なくてもよいということではありません。そのあたりは良識、常識をもって振る舞って下さるよう希望します。
授業計画
1.イントロダクション:90分で語る英語史。
2.言語変化、英語以前
3.インド・ヨーロッパ語族
4.古英語とゲルマン民族
5.デーン人とデーンロー
6.キリスト教の伝来
7.歴史的事件の古英語への影響
8.中期英語:ノルマン征服
9.中期英語:百年戦争
10.歴史的事件の中期英語への影響
11.初期近代英語
12.現代英語
13.古英語、中期英語、初期近代英語による聖書の比較
14.文法についてー記述文法と学校文法と規範文法
15.形態論の不規則性について
16.形態論の不規則性についてー名詞、格
17.古英語の格変化
18.複数形、単数と複数が同じなのはなぜだろうか
19.借用語の複数形
20.形容詞、副詞
21.代名詞ーme か I か、who, which, that
22.動詞ー「不規則」動詞
23.統語論における「不規則」
24.分離不定詞、法助動詞=モードを変える助動詞
25.否定形、be 動詞、英語の語彙:大和言葉
26.借用語、二重語、造語法ー複合語、派生語、接辞添加、混成語
27.発音の変化、変化の理由、「音変化の経済性」
28.古英語、中期英語の発音、母音大推移(1)
29.母音大推移(2)、アクセント、「容認発音」
30.綴り字、ルーン文字、ローマ字、綴り字の固定化
自由記述欄
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