2012 syllabus

コード	KA41-01
授業科目	数学概論
副題	（心と数と形）
副専攻
特記事項

担当者	吉野　諒三
単位	2
期・曜時	前期　金3
対象学年	2・3・4年

学習目標

　数理の効用と限界を理解し、常に周囲の様子を冷静に観察、記録、解析し、適切な行動や判断ができるようになることを目指す。

授業概要

　数学は、かつては「真実」を扱う学問であり、一種の宗教的色彩すら帯びていたこともありましたが、現在では「純粋数学」として発展する一方で、観測対象と観測者との間の関係系の「表現法」としての位置づけも明確になってきました。こういった背景を念頭に、心理学等の人文社会科学のトピックの数学的扱いに触れようと思います。

テキスト

　特に指定せず。

参考文献・課題図書

　「心を測る」吉野諒三著（朝倉書店　2001）
　「数理心理学」吉野他著（培風館、2007）
　「東アジア国民性比較ーデータの科学」吉野編(勉誠出版, 2007)
　「国際比較データの解析」吉野他　（朝倉書店, 2010)

受講生への要望

　受講生は、授業内容をもとに、自分自身で積極的に思考を巡らし、自分なりの数学的、数理哲学を創り上げるように努めてほしい。

評価方法

　授業中に提示するいくつかの課題や、日常生活の中での簡単な観察や実験に基づいたデータ解析のレポートにより、評価する。

授業計画

１．主として、以下のテーマを中心に進めるが、　適宜、新たなテーマも追加する。
２．1　日常生活の観測と記録と解析・・・寺田虎彦の眼
３．2　数と表現について・・・暗号解読
４．3　「デタラメ」の利用・・・ウソと本当の見分け（統計的検定の利用）
５．4　尺度（ものさし）について・・・計量の水準
６．5　心の時間・・・短期記憶と長期記憶
７．6　心の空間・・・認知地図、視空間
８．7　社会調査・・・日本人の国民性
９．8　国際比較調査・・・国民性の比較
10．9　源氏物語と数と幾何学・・ホンモノを見分ける計量的文献学
11．10　邪馬台国論争と幾何学・・・トポロジー、計量考古学
12．11　こころの世界・・・カウンセリング
13．随時、簡単な実験や観察を行ない、参加型の授業とする。
14．日常生活にも関与する様々な場面を想定して、「数と形と心（代数と幾何学と心理学）」の視点から物を観て解析する態度を養う授業を意図する。
15．課題のリポートも、それらの知見に基づき、遂行される事を期待する。

自由記述欄

　自分の頭で考え、自分の頭で判断し、周囲に流されない人間に成長してください。

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