2012 syllabus

コード	EH34-01
授業科目	質的調査法２
副題	（文化人類学の手法に学ぶ）
副専攻	A1・E1
特記事項

担当者	石井　洋子
単位	2
期・曜時	前期　水4
対象学年	2・3・4年

学習目標

　質的調査（定性的調査）は、定量的サーベイとは異なり、調査対象と深く関わる。例えば、長期の村落調査を実施するならば、調査者は現地の言葉や慣習を学び、参与観察やインタビューを通じてその社会の全容を理解するための努力をする。この授業では、質的調査の立案から方法、分析にいたるまでの一連の具体的手法を学ぶことを目的とする。

授業概要

　講義を行うと同時に、授業の最終日には、幾つかのグループに分かれて在日外国人へのインタビューを実践する。各グループは、インタビューする内容についてテーマを設定するが、その下調べや質問項目の整備なども念入りに行う。

テキスト

　特になし。

参考文献・課題図書

　授業時に指示する。

受講生への要望

　この授業では、インタビュー実践のための事前調査を行ったり質問票を作成するために、授業時間外に活動することもあります。そうした授業スタイルに賛同できる学生が受講して欲しいと思います。

評価方法

　出席および積極的参加４０％、課題（調査準備）３０％、最終課題（インタビュー調査報告書）３０％

授業計画

１．イントロダクション＜1＞：質的調査とは何か？　・「広く浅く」vs「深く狭く」？　・サーベイ調査の落とし穴　・定性的調査の利点/欠点
２．イントロダクション＜2＞：フィールドワークとは何か？　・エバンス・プリチャードの仕事、実証主義　・フィールドワークの壁　・現地語習得、ラポールの確立
３．イントロダクション＜3＞：方法論の概観　・多元的アプローチ/複眼的視点の獲得　・問題意識→仮説の立て方
４．イントロダクション＜4＞：質的調査と社会的背景　・調査者と対象者の関係　・社会的背景/統計データ、地図を読む
５．参与観察へ向けて：準備論1　・調査許可書、アクセス、放浪の旅、調査地の選定　・荷物の準備、安全への意識など
６．参与観察へ向けて：準備論2　・日常会話からの情報収集/インフォーマル・インタビュー　・調査助手の雇用
７．世帯調査について　・「世帯」とは？、世帯調査から分かること　・世帯の実態を読み解く方法
８．インタビュー調査、聞き書き、アンケートの自由回答　・インフォーマント選定、事例研究、質問の方法　・分析、グループディスカッション
９．社会参加・直接観察　・社会運動への参加、動機、客観的観察、立場　・文化人類学との関わり
10．ライフ・ヒストリー/ライフ・ストーリーの取材・整理分析　・聞き手と語り手の相互作用
11．データ分析＜1＞：エスノグラフィー/ルポ/報告書ほか
12．データ分析＜2＞：ドキュメンタリー映像の記録
13．実践＜1＞：質的データの収集　・グループインタビュー
14．実践＜2＞：質的データの解読　・データの分析、簡易報告書の執筆
15．まとめ

自由記述欄

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