コード
DF22-01
授業科目
ヨーロッパ中世史Ⅰ
副題
(中世ヨーロッパのキリスト教と経済―「托鉢(=乞食)修道会」をめぐって―)
副専攻
A1・D3
特記事項
担当者
印出 忠夫
単位
4
期・曜時
通年 水4
対象学年
2・3・4年
学習目標
「貧しい人は幸い」という言葉にこめられたキリスト教の宗教性を、商業や土地の経営など、ひろく経済との何らかのかかわりなしに有意味な社会的行動をとることが困難な社会(中世以来、現代に至るまで!)の中で、ヨーロッパ中世の人びとはどう実践してゆこうとしたのか、その試行の痕跡を学びたい。
授業概要
西ヨーロッパ社会に貨幣経済が普及し、その結果、人々のあいだの経済格差が拡大しはじめた13世紀初頭、それまでの土地を所有することによって安定した収入と富を確保していた修道院と異なり、貨幣経済の社会の最も弱い立場の人びと(無所有の人)の境遇にあえて身を置いて修道生活を送ろうとする団体、「托鉢(=乞食)修道会」(フランシスコ会・ドミニコ会など)が誕生して当時の人々の熱い支持を得ました。しかし現実には、完全な無所有の状態で修道会とその活動を維持することは不可能であり、そのため実践の面でも思想の面でも、様々な試行錯誤と論争が繰り広げられることになりました。
テキスト
特になし。
参考文献・課題図書
中世のキリスト教史・思想史・あるいは都市史といった領域の文献が参考になります。具体的には授業中に指示します。
受講生への要望
明快な講義を心がけますが、私の講義は一度欠席すると分かりにくくなるらしいので注意してください。
評価方法
学年末のレポート。また出席がわりに毎回リアクションペーパーの提出を求める。
授業計画
1.イントロダクション
2.中世の教会と修道院のはじまり
3.ベネディクトゥス系修道院と社会
4.12世紀後半の社会変動―異端の「発見」―
5.托鉢修道会の創設―フランチェスコとドミニコ―
6.映画『ブラザー・サン シスター・ムーン』鑑賞 1
7.映画『ブラザー・サン シスター・ムーン』鑑賞 2
8.托鉢修道会の都市進出
9.論争―清貧論争 1
10. ―清貧論争 2
11. ―清貧論争 3
12. ―スコラ学的経済論 1
13. ―スコラ学的経済論 2
14. ―スコラ学的経済論 3
15.前半のまとめ
16.後半の導入
17.托鉢修道会と中世都市社会 1
18. 2
19. 3
20.修道院建設事業
21.修道院の会計管理文書 1
22. 2
23. 3
24.修道院にもたらされる収入 1
25. 2
26. 3
27.遺言と記念ミサの問題 1
28. 2
29. 3
30.まとめ
自由記述欄
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