コード
CD54-01
授業科目
日本語学研究Ⅰ
副題
(日本語の文字・記号と表記)
副専攻
C1
特記事項
担当者
笹原 宏之
単位
2
期・曜時
後期 金4
対象学年
2・3・4年
学習目標
現代の日本で、人々によって用いられている文字や記号について、必要不可欠にして将来に活かせる知識と視点を確実に身に付けるとともに、論理的に考える力を習得する。
授業概要
日本語を表記する文字と記号について、その複雑な実態を正確に把握するとともに、その状況を生み出す背景を体系的に理解する。
合わせて、各自が主体的に自分の関心のある素材やメディアに対して観察を行い、それについて自由に考察と分析を進め、それらの位置付けや意義について理論的に捉えていく。
テキスト
笹原宏之『日本の漢字』(岩波新書991番 700円程度)
*登録後は、1回目から持参すること。
参考文献・課題図書
必要に応じて、講義中に示す。
受講生への要望
まずは身近なところに書かれた文字・記号をよく観察してみましょう。
評価方法
授業参加(目安:30%)、レポート(70%)から、総合的に判断します。期末試験は行いません。
授業計画
1.ガイダンス
2.日本語の文字の成立 : 古代から始まり、現代まで続く永い歴史
3.日本語の文字の変容 : 変化の流れと法則性の発見―位相、会意化、衝突回避、美化、同化、経済化など
4.日本語の文字の性質 : 独自の多様性・柔軟性・繊細さと思い入れ・思い込み―「卵」「玉子」・「いちご」「イチゴ」「苺」「莓」・「たんす」「タンス」「箪笥」
5.集団の文字 : 「广にK广にO」「本気と書いて…」「秋桜」は、どこから
6.女性の文字 : 「仲仔」「因囚」「圉せ」―場面、時代で移り変わるカワイイ文字、カッコイイ文字
7.絵文字の意味 : 「♪」「本田△」「(^^)」「(・ω・)」「・Д・」などの効果・逆効果
8.名字・名前の文字 : 赤ちゃんに「一二三(ワルツ)」「苺」「蜜柑」「葡萄」「薔薇」を付けるかどうか
9.地域・地名の文字 : 「さいたま市」「南アルプス市」「遷都麗空市」などは適しているか
10.方言と文字 : 「背負(しょ)う」は方言、「渋谷」「谷中」も実は方言による姓・地名
11.自分だけの文字 : 誰もがもっている日記や作文などの個性的な文字、誤字と表現、「薔薇」「バラ」・「紫」「ムラサキ」
12.文芸作家の文字 : 夏目漱石の当て字や宮沢賢治らの造字の意図とは
13.世界の文字との比較 : 日本の文字や記号のもつ類のない特異性・絵文字の鎖国性
14.改めて日本語の文字と記号、表記について多面的に捉え直し、その未来を展望してみる
15.まとめ
自由記述欄
日本語や文字・記号、ことばの表記法に関心のある人だけでなく、それらに少しでも気になることがありそうだという人に、あるいはそれらの真実を知ることの楽しさと、それらについての成果をまとめあげた時の達成感を真剣に求める人に、そして何ごとにつけ現象の奥にある真実に迫りたい人に、履修してみることをお勧めします。
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