コード AT55-01
授業科目 ボランティア研究概論2
副題 (NGOによる国際協力と開発教育・グローバル教育)
副専攻 A1・A3
特記事項
担当者 湯本 浩之
単位 2
期・曜時 後期 水5
対象学年 1(B)・2・3・4年

学習目標
 NGO活動の理念と実際に学びながら、次の点について理解を深めることを目標としたい。
①地球社会が直面している問題群をグローバル・イシューズとして認識すること。
②NGO活動の歴史的展開や今日的状況を理解すること。
③「寄付」や「援助」の意義や課題について理解すること。
④開発教育やグローバル教育の役割や課題を理解すること。
授業概要
 今日の地球社会は、開発や環境、平和や人権、文化や福祉といった地球的規模の問題群に直面している。こうした諸問題の改善や解決に向けては、各国政府や国連機関等をはじめ、NGOなどの市民組織による国際協力活動が展開されてきた。
 そこで本講では、まずNGOが取り組む地球的規模の問題群(グローバル・イシューズ)について整理する。その上で、欧米で始まったNGOの取り組みに焦点を当て、NGOによる国際協力活動の歴史的変遷や今日的状況を概観するほか、NGO活動を支える思想的背景や理論的基盤にも言及したい。また、“NGOに寄付すること”や“海外に援助すること”の意味やその影響について検討するほか、国内活動として展開されてきた開発教育やグローバル教育の概要や教育活動としての特徴を確認しながら、グループワークや参加型学習教材を活用したワークショップを実際に体験する。
 なお、本講の履修に際しては、次の点に留意されたい。
①授業では、講義のみならず、グループワークやワークョップなどの参加体験型の学習手法を活用する。
②履修者の人数やグループワーク等の進捗状況によっては、授業計画の一部を変更する場合がある。
③ゲスト講師としてNGO関係者の授業への招聘を予定するが、先方の都合により日程や回数には変更の可能性がある。
テキスト
参考文献・課題図書
<国際協力・NGO>
 グローバル問題とNGO・市民社会 馬橋憲男他(編) 明石書店
 NGO発展の軌跡 重田康博(著) 明石書店
 国際協力NGO 今田克司・原田勝広(編) 日本評論社
 学び・未来・NGO 若井晋他(編) 新評論 

<開発教育・グローバル教育>
 開発教育:持続可能な世界のために 田中治彦(編) 学文社
 国際協力と開発教育 田中治彦(著) 明石書店
 グローバル・クラスルーム セルビー&パイク(著) 明石書店
 地球市民を育む学習 セルビー&パイク(著) 明石書店
 グローバル・ティーチャーの理論と実践 スタイナー(著) 明石書店
受講生への要望
 この授業では、グループワークやワークショップを活用して履修者相互の学び合いを重視する。授業で編成されるグループは、学年や専攻を異にした履修者で構成されるが、そこでの議論や協働作業への積極的かつ協力的な参加を期待する。
評価方法
 平常点(出席やコメントカードの内容)60%、および最終授業内に実施する論述式試験(40%)
授業計画
1.講義1:NGOとは何か:国際協力の主要アクターとしての役割
2.講義2:NPOとは何か:市民組織の非営利性とボランタリズム
3.グループワーク1:地球的課題(global issues)を考える(1)
4.グループワーク2:地球的課題(global issues)を考える(2)
5.ゲスト講師による活動紹介1
6.グループワーク3:「“援助”する前に考えよう(1)」
7.グループワーク4:「“援助”する前に考えよう(2)」
8.グループワーク5:「“援助”する前に考えよう(3)」
9.講義3:国際開発論の変遷と国際ボランティア活動の展開
10.ゲスト講師による活動紹介2
11.ワークショップ体験1:「対立を乗りこえて!」
12.ワークショップ体験2:「仲間をさがして!」
13.講義4:NGOの国内活動としての開発教育・グローバル教育
14.講義5:NGO活動の課題と市民社会の役割
15.論述式試験
自由記述欄
 国際協力や国際交流に取り組むNGOやNPOの活動をはじめ、地域での市民活動やボランティア活動などでは、市民一人ひとりが問題や課題に「気づき」、その原因や解決策を「考え」、自主的かつ協力的に「行動」していくことが求められています。そうしたプロセスに「参加」し、「学び」として深め、「活動」として広げていくことがNGO活動やボランティア活動の基本だと考えています。この授業をそうした「気づき」や「学び」を深めていく機会としてください。

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