コード TD12-01
授業科目 東洋古代史特講
副題 (古代中国の家族と社会)
副専攻
特記事項
担当者 吉田 浤一
単位 4
期・曜時 通年 集中
対象学年 学部3・4年生も可

学習目標
 現代中国社会近代化の歴史的条件としての前近代中国社会の特質を、家族関係(婚姻・養育・相続)と社会関係(支配・所有・契約)のあり方の検討を通して考察する。
授業概要
 全体を三部構成とし、第一部で家父長制の有無をキイワードとして家族と社会の関係をとりあげ、第二部で土地や労働をめぐる契約関係に着目し、第三部では、共同体、共同関係の中国的あり方を軸として全体を総合的に考察する。
テキスト
1、飯尾秀幸著『中国史のなかの家族』山川出版社 世界史リブレット
2、堀敏一著『中国通史』講談社 講談社学術文庫
参考文献・課題図書
 授業中に適宜紹介する。
受講生への要望
 中国史、中国社会に関心のある人
評価方法
小レポートおよび授業への参加態度
授業計画
1.第一部:家族論と社会論 中国文明の形成と家族の発生
2.古代中国における家族の定義、同居共財の意味
3.婚姻システムと家族、同姓不婚は家族形成の機制か
4.小家族と大家族、家父長型の家と兄弟型の家は別個の家か
5.家族の統括機能は一元的だったか。家長権と身分権
6.秦漢帝国の形成史
7.商鞅の変法と兄弟均分
8.単婚・居住形態と兄弟均分
9.家族道徳と社会道徳、孟子の家族論
10.家族道徳と国家論、孝経
11.家族主義的国家論批判1、家の拡大としての国家論について
12.家族主義的国家論批判2、家産官僚制国家論について
13.唐宋変革と時代区分論
14.律令の家族と社会の家族、訴訟社会
15.古代の宗族と近世の宗族
16.華北村落における血縁と地縁の相克
17.第一部のまとめ
18.第二部 契約論的社会論:明清社会と時代区分論
19.契約1、業と佃、多様な地代形態
20.契約2、雇用と契約、雇用労働と身分制
21.契約3、合股・請負と商慣習
22.第二部のまとめ
23.第三部 共同体と人間関係論:本源的共同体観念
24.古代中国人の文明の起源に関する意識、大同と禽獣
25.孔子の仁と孟子の忍、共同社会と政治社会
26.歴史における共同体のもつ意味
27.村落共同体は実在したか(1)郷里制
28.村落共同体は実在したか(2)唐宋変革再考
29.共同体なき世界における人間関係、二者間関係に正義はあるか
30.第一部から第三部のまとめ
自由記述欄
特になし

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