Jane Austenの最後の長編小説Persuasion(1817)を読む。Persuasionでは、それまでのAusten作品に特有の登場人物に対する語り手のアイロニカルな距離感が薄らぎ、人物の感情に寄り添うような接近がみられる。本講義では、テクストを精緻に読み込みながら、自然や風景の描写に特に注目することで語り手の立ち位置の変化について考察する。 Charlotte Brontë、D. H. Lawrenceの作品との比較の視点も盛り込み、学期後半においてはその他の多様な批評的視点からも検討を加える。