Jane Austenの長編第2作 Sense and Sensibility(1811)を読む。理知的な姉と感傷的な妹という対照的な姉妹それぞれの恋愛の行方を追う一方で、テクストには18世紀末の感傷小説やロマン主義に対する批判がこめられているとされるが、二者の間にははむしろ対話的均衡が見られる。本講義においては、テクストを精緻に読み込み、また同時代の歴史的・文化的文脈を考察することによって、理知と感傷がテクスにおいていかにダイアロジックな相互作用をしているかを考察する。学期後半においてはその他の多様な批評的視点からも検討を加える。