2011 syllabus

コード	HF11-01
系列	系列：美学・美術史
授業科目	美学・芸術学特講Ⅱ
副題	（ゲーテ、1797年の夏休み、その二）
副専攻	H1

担当者	加藤　好光
単位	2
期・曜時	後期　木3
対象学年	1(B)・2・3・4年
特記事項

学習目標

　ある思想について、それを史実に基づきながら理解するという方法の有効性を検証する。
　18世紀末のドイツの思想状況を知る。
　芸術制作と想像力の深い繫がりについての洞察を得る。

授業概要

　1797年夏、47歳のゲーテは詩人としての再起を期してスイスへと旅だった。その途上立ち寄った故郷フランクフルトからの8月16日付シラー宛書簡において彼が言及している「象徴的」という言葉には様々な意味契機が混在している。それらを解きほぐしてゆくには、テクスト内在的解釈では足りない。前後のゲーテの足跡を辿りつつ、彼の作品、書簡、日記等を典拠に「象徴」書簡へと結晶していった彼の思想を再構成する。本講義では、8月16日の書簡を中心に講ずる。

テキスト

　関連文書の複写を配布する。

参考文献・課題図書

　加藤好光「ゲーテ的象徴概念の形成」（『ゲーテ年鑑』1995年）

受講生への要望

　前期の同じ時間帯に開講される美学・芸術学特講Ⅰは本講義の前提をなしています。美学・芸術学特講Ⅰの受講を強く勧めます。

評価方法

　試験によって評価する

授業計画

１．導入
２．シラー宛8月16日づけ書簡１
３．シラー宛8月16日づけ書簡２
４．その後のゲーテ　ヴィルヘルム・テル伝説、美学論攷など
５．過去の経験　ゲーテとスイス　ゲーテとイタリア
６．「シトロンの花咲く国を君知るや」　南国・古典古代への憧れ
７．環境世界の影響
８．「象徴的対象」への注視　経験の無限への対処として
９．心理学における直観像視の研究とその挫折１
10．心理学における直観像視の研究とその挫折２
11．自然の産みの力と人間の想像力
12．非近代的な自然観（感）
13．対象的詩作と対象的思索
14．象徴書簡の後日談　顧問官シュルツとの往復書簡
15．試験

自由記述欄

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