コード HF10-01
系列 系列:美学・美術史
授業科目 美学・芸術学特講Ⅰ
副題 (ゲーテ、1797年の夏休み、その一)
副専攻 H1
担当者 加藤 好光
単位 2
期・曜時 前期 木3
対象学年 1(B)・2・3・4年
特記事項

学習目標
 ある思想について、それを史実に基づきながら理解するという方法の有効性を検証する。
 18世紀末のドイツの思想状況を知る。
 芸術制作と想像力の深い繫がりについての洞察を得る。
授業概要
 1797年夏、47歳のゲーテは詩人としての再起を期してスイスへと旅だった。その途上立ち寄った故郷フランクフルトからの8月16日付シラー宛書簡において彼が言及している「象徴的」という言葉には様々な意味契機が混在している。それらを解きほぐしてゆくには、テクスト内在的解釈では足りない。前後のゲーテの足跡を辿りつつ、彼の作品、書簡、日記等を典拠に「象徴」書簡へと結晶していった彼の思想を再構成する。本稿では旅立ちまでの日々を講ずる。
テキスト
 関連文書の複写を配布する。
参考文献・課題図書
 加藤好光「ゲーテ的象徴概念の形成」(『ゲーテ年鑑』1995年)
 KATO Yoshimitsu, Begriff und Verfahren der eidetischen Anschauung bei Goethe, 1995.
受講生への要望
 後期の同じ時間帯に開講される美学・芸術学特講Ⅱは本講義の続きですから、受講を勧めます。
評価方法
 試験によって評価する。
授業計画
1.導入
2.ゲーテについて
3.バラードの年、1797年のゲーテ
4.直観像素質と詩作 自然観への浸透
5.ゲーテの自然学
6.原現象 原植物
7.全人と自然体験(客体と主体との協応関係)
8.『スイス便り』(1796) より若きウェルテルとスイス
9.『若きウェルテルの悩み』(1774) 泉とホメロス
10.シラーの「素朴文学と情感文学」
11.シラーとの親交 独自の詩作法についての意識
12.旅立ちの準備 イタリアへ、スイスへ
13.『ファウスト』 断絶された作品への再着手 
14.日記と書簡 ワイマール侯の帰着を待ちながら
15.試験
自由記述欄

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