2011 syllabus

学習目標

　鎌倉幕府三代将軍源実朝は、東国に生きた武家歌人であった。その和歌を読み、生涯を辿りつつ、中世初頭の鎌倉の風土および京都と鎌倉の関係について、文化史的に考察する。また、近現代の実朝観についても検討したい。

授業概要

　はじめに実朝の生きた環境と時代背景について確認したあと、実朝の歌集『金槐和歌集』や『吾妻鏡』に見える和歌および和歌関連記事を取り上げ、境遇の特異性、視線の独自性、都や新古今歌風との関係、和歌を介した交流のあり方といった視点から考察していく。

テキスト

　プリントを配布する。

参考文献・課題図書

　授業中に指示する。

受講生への要望

　前期「日本文学史Ⅲ」では、鎌倉初頭の同じ時代を、京都側の視点から考察している。前期も受講するとより理解が深まると思う。なお、後期も毎回コメントシートを配布するので、作品を読んで自ら考え感じたことを積極的に発信してほしい。

評価方法

　出席と試験による。

授業計画

１．導入――鎌倉の環境
２．実朝誕生
３．　〃
４．京都憧憬――実朝と後鳥羽院・藤原定家
５．　〃
６．伊豆・箱根の旅
７．　〃
８．和歌は紐帯――実朝と周囲の人々
９．　〃
10．将軍の孤独
11．　〃
12．実朝暗殺
13．　〃
14．まとめ――近現代人の実朝観
15．　〃

自由記述欄