2011 syllabus

コード	AS08-01
系列	系列：総合現代教養(自由領域)
授業科目	科学史２
副題	（テーマ別・科学論）
副専攻

担当者	河野　俊哉
単位	2
期・曜時	後期　月5
対象学年	1(A)・2・3・4年
特記事項

学習目標

　現代社会は、良くも悪しくも科学・技術に支えられています。文・理を問わず多くの人々にとっても、科学研究やその結果の持つ意味について通じていること（科学リテラシー）が、必須となりつつあります。そのことをふまえて、本講義では、「文化としての科学」や「社会における科学」といった側面から考察し、「科学」に対する理解を深めることを目的とします。

授業概要

　高校までの「科学（または理科）」が、主に「理論」を中心に学んでいたのに対し、本講義の前半では「科学」を歴史的観点から考察することにします。科学の歴史は単に科学の理論や概念の歴史だけではなく、科学という人間の営みの歴史でもあります。その営みには、様々な社会的・文化的要素が含まれており、本講義ではこのような科学の社会的･文化的側面の歴史に焦点をあてて講義を進めます。さらに中盤以降は、「科学と英文学」、「科学と絵画」等のテーマを考察し、最終的には現代における科学・技術の諸問題を科学技術社会論的観点から考察することにします。講義形式で授業を進めますが、適宜視聴覚教材を用いたり、授業時に小レポートを課すなりして、双方向の授業を目指します。

テキスト

　河野俊哉他共著『科学の真理は永遠に不変なのだろうか』（ベレ出版、2009年）。および授業時にプリントを適宜配布します。

参考文献・課題図書

　井山弘幸・金森修『現代科学論』（新曜社、2000年）。
　小林信一等編『社会技術概論』（放送大学教育振興会、2007年）。
　藤垣裕子・廣野善幸編『科学コミュニケーション論』（東京大学出版会、2008年）。

受講生への要望

　細かな科学知識は必要としませんが、各自の関心分野（英文学、歴史学、哲学、教育学等）から積極的に「科学」との関連を模索して下さい。そのことによって、良い意味で皆さんの科学観が変わることを願っています。

評価方法

　出席を兼ねた授業時の小レポート、授業外レポート等。
　詳細は授業時に説明します。

授業計画

１．ガイダンス：講義の概要、成績評価について説明します。アンケートを実施しますので必ず出席して下さい。
２．ダーウィンと進化論：概要とその衝撃について説明します。
３．社会ダーウィニズムと「日本における進化論の受容」
４．「科学とイギリス文学」に関する研究を概観してみましょう。
５．「ダーウィニズムとウェルズ」：『タイムマシン』について考察します。
６．『フランケンシュタイン』を科学史的に考察してみましょう。
７．「絵画と科学」：フェルメールの絵画等を例に考察してみましょう。
８．戦争と科学：フリッツ・ハーバーの生涯と業績について考えてみましょう。
９．「レイチェル・カーソン：科学・文学・環境」：DDTの功罪について考察します。
10．ジェンダーと科学：マリー・キュリーを事例にして「ジェンダーと科学」の問題を考察してみましょう。
11．「日本人と近代科学」Ⅰ：『長州ファイブ』を鑑賞し、御雇外国人、工部大学校等について理解を深めましょう。
12．「日本人と近代科学」Ⅱ：『JIN-仁』を鑑賞し、当時の病気や医学を巡る状況について理解を深めましょう。
13．科学技術社会論入門Ⅰ：地球温暖化の事例を中心に科学技術社会論の観点から考察してみましょう。
14．科学技術社会論入門Ⅱ：科学コミュニケーション、リスク社会、科学リテラシーについて説明します。
15．まとめ：教養教育の再構築（試験）

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