コード JB22-01
系列 系列:教育学・初等教育学
授業科目 教育学特講2
副題 (教育の歴史人類学と子ども・若者の社会史)
副専攻 J1
担当者 北本 正章
単位 2
期・曜時 前期 月2
対象学年 1(B)・2・3・4年
特記事項

学習目標
 この授業の到達目標は、人間の発達と教育の文化的基盤としての家族構造の変化や育児習俗、子どもの生活文化の社会史変容と持続がどのようなものであるのかを教育の思想と歴史の中で理解することである。
授業概要
 人間の発達と教育の文化的基盤を理解するためには、各時代や社会構造、文化的伝統、宗教意識など、広く教育の文化的および社会的な基盤を知る必要がある。とりわけ少子化に見られる家族構造の変化は親の教育意識を大きく左右するので、講義では、子どもが産まれ育つ家族、地域社会の教育力、子育て意識と子ども観の社会史、家族の社会史研究、しつけの比較文化史など、さまざまなトピックを取り上げ、教育の思想と歴史についての理解を深めながら検討する。
テキスト
 特にありません。
参考文献・課題図書
 森洋子『子供とカップルの美術史』(NHKブックス)/北本正章『子ども観の社会史』(新曜社)。ほかにも授業の進展過程で、参考情報を提示します。
受講生への要望
 講義中に紹介する多数の参考文献・関連図書・補足資料を、学問分野・領域・専門性といった「壁」にとらわれずに、幅広い視野から、意欲的に子ども理解に利用し、「子ども観史研究」「親子関係史研究」を進めてくださることを期待します。
評価方法
 (1)出席状況(10%)、(2)ミニレポート(20%)、
 (3)課題レポート(70%)
授業計画
1.(1)発題――教育の歴史人類学の方法・範囲・課題
2.(2)教育の社会史あるいは歴史人類学的教育理解の意義について
3.(3)子どもの発達と文化的・社会的基盤について
4.(4)通過儀礼がある社会と通過儀礼がない社会
5.(5) 人口動態史と子どもの発達文化
6.(6)家族史の中の子育て意識
7.(7)子育て習俗研究のフロンティアから
8.(8)産育習俗研究
9.(9)母乳育の伝統
10.(10)乳母養育の伝統
11.(11)徒弟教育の伝統
12.(12)歴史的社会化研究
13.(13)美術史の中の子ども像
14.(14)子ども服の記号学
15.(15)しつけの文化社会史
16.(16)歴史の中のライフサイクル
17.(17)発達と文化と教育
自由記述欄
この授業では、欧米における発達思想の根底に横たわっている「子ども観」「青年観」がどのような生物学・医学・自然学的基盤と社会・文化的な基盤との交点に成立してきたのかを解明するために、子どもの発達と教育の文化・社会的基盤を検討することによって、一方では従来の子ども認識や発達観、教育思想を社会史的なリアリズムの中で捉え直し、他方では、混迷しているかに見える現代社会の子ども観、教育観の問題の積層を知ることがこの授業の学習到達目標です。わたしたちの子ども理解のフロンティアを拓き、子どもへのかかわり方を少しでも良い方向に導き、それらに進歩的で発展的な意味を付け加えていきたいと考えている参加者を歓迎します。

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