コード MM44-01
系列 系列:Ⅲ. Cultural Perspectives
授業科目 英語文化論[文学と電子メディア]2
副題 (ハイパー・フィクションと作者/作品の主体性の問題)
副専攻
担当者 扶瀬 幹生
単位 2
期・曜時 後期 水3
対象学年 2・3・4年
特記事項

学習目標
 あらゆるものがあらゆるものとリンクしうるという、サイバースペースに形成されるハイパー・テキスト/ハイパー・メディアの特性は、紙のメディアが過去数百年の間に固有の歴史的コンテクストの中で作り上げ、我々もまだその呪縛から自由でない「作家/作品の主体性」という神話に根本的な問いを投げかける。この授業ではまさにこの特性を作品自体のテーマにしたハイパー・フィクションの古典であるShelley JacksonのPatchwork Girlをとりあげ、「パッチワークとしての人体/作品」をテーマに、電子メディアで作られた文学作品が提示する「作家/作品の主体性と断片性」の問題について考察する。
授業概要
 Shelley Jacksonのハイパー・フィクション Patchwork Girl (1995)のほか、この作品が「パッチワーク」の素材として明示している次の2作品も視野に入れて、作品の分析と批評を行う。
・Mary Shelley, Frankenstein; or, The Modern Prometheus (1818)
・Frank Baum, The Patchwork Girl of Oz (1913)
テキスト
 Shelley Jackson, Patchwork Girl [1-884511-23-6]
 ほかはオンラインの電子テキストによる。
参考文献・課題図書
Literature Online (LION)
Literature Resource Center (Gale)
Literary Reference Center (EBSCO)
JSTOR
Project MUSE
[いずれも本学図書館のオンラインデータベースとして利用可]
受講生への要望
 ハイパー・フィクションとその批評は、誰にでも(いわゆる普通の文学以上に)通俗的で親しみやすい面と、前衛的で難解な面という両極端を併せ持っていてますが、いずれの側面に対しても、自分が文学や書物に対して持っている先入観で割り切って理解しようとせず、作品に触れた時に自分の中に無意識に湧き起こる一番素直で率直な反応を注意深く意識化することが大事です。その意味で、予備知識や経験は全く必要なく、ひたすら直観的な感性を研ぎ澄ませることに意を注いでください。
評価方法
 出席、割り当て課題の達成度、期末レポート
授業計画
1.ハイパー・フィクションの歴史
2.Patchwork Girlの構造分析1
3.Patchwork Girlの構造分析2
4.Patchwork Girlの構造分析3
5.Patchwork Girlの読解1
6.Patchwork Girlの読解2
7.Patchwork Girlの読解3
8.Mary Shelley, Frankensteinとの関テクスト性分析1
9.Mary Shelley, Frankensteinとの関テクスト性分析2
10.Frank Baum, The Patchwork Girl of Ozとの間テクスト性分析1
11.Frank Baum, The Patchwork Girl of Ozとの間テクスト性分析2
12.Patchwork Girlの批評購読1
13.Patchwork Girlの批評購読2
14.期末レポートのドラフト発表と批評1
15.期末レポートのドラフト発表と批評2
自由記述欄

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