2009 syllabus

コード	HD73-01
系列	系列：キリスト教学
授業科目	キリスト教学演習Ⅲ
副題	（トマス・アクィナス『神学大全』講読～「愛」とは何か～）
副専攻	H1

担当者	加藤　和哉
単位	4
期・曜時	通年　火2
対象学年	1(B)･2・3・4年
特記事項

学習目標

　西洋中世十三世紀の神学的・哲学的文献の読解。

授業概要

　トマス・アクィナスの『神学大全』第Ⅱ部は、西洋中世最大の倫理学的文献であるだけでなく、古代ギリシア以来の倫理学の集大成でもあります。今年度からは、キリスト教的倫理学の中心概念である「愛」(caritas)について扱う第Ⅱ-Ⅱ部第２３問～第３３問を読み始めます。
　なお、授業計画はあくまで目安であり、実際の進度は、受講者数、受講者の能力、意欲、内容検討や議論の展開、さらに関連文献の追跡の広がりなどに応じて、変化することは言うまでもありません。

テキスト

　トマス・アクィナス『神学大全』第１６巻、稲垣良典訳、創文社、1987年。
　必要に応じて、ラテン語原文を配布します。

参考文献・課題図書

　稲垣良典『トマス・アクィナス』、講談社学術文庫、1999年。
　稲垣良典『トマス・アクィナス倫理学の研究』九州大学出版会、1997年。
　桑原直己『トマス・アクィナスにおける「愛」と「正義」』知泉書館、2005年。
　中川純男『哲学の歴史』第３巻（神との対話）、中央公論新社、2008年。

受講生への要望

　講読は翻訳を用いて行いますが、より深い理解のためには原語であるラテン語の理解は必要です。ラテン語Ⅰ未修の場合には並行して履修するようにしてください。

評価方法

　平常点で評価します。講読ですので、出席を重視し、またテキスト講読の割り当てを果たすことが求められます。

授業計画

１．授業紹介。授業計画。
２．参考文献。先行研究の紹介。
３．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第１項の講読。
４．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第１項の講読。
５．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第１項の講読。
６．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第２項の講読。
７．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第２項の講読。
８．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第２項の講読。
９．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第３項の講読。
10．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第３項の講読。
11．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第３項の講読。
12．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第４項の講読。
13．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第４項の講読。
14．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第４項の講読。
15．まとめ。
16．授業計画。前期の振り返り。
17．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第５項の講読。
18．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第５項の講読。
19．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第５項の講読。
20．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第６項の講読。
21．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第６項の講読。
22．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第６項の講読。
23．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第７項の講読。
24．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第７項の講読。
25．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第７項の講読。
26．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第８項の講読。
27．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第８項の講読。
28．第Ⅱ-Ⅱ部第２３問第８項の講読。
29．第２３問全体の検討。
30．まとめ。

自由記述欄

　トマス・アクィナスの「愛」(caritas)論は、単なるキリスト教的な愛の教えではありません。キリスト教独自の「愛」の概念に、哲学的な観点から解明を与えながら、その独自性と人間学的な基盤を明らかにするものです。
　日本の大学でトマス・アクィナスの講読ができる大学は、数えるほどしかありません。ぜひのぞいてみてください。

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