コード
EH34-01
系列
系列:社会調査関連
授業科目
質的調査法2
副題
(文化人類学の手法に学ぶ)
副専攻
E1
担当者
石井 洋子
単位
2
期・曜時
前期 水4
対象学年
2・3・4年
特記事項
学習目標
質的調査(定性的調査)は、定量的サーベイとは異なり、調査対象と深く関わる。長期のフィールドワークを実施するならば、調査者は現地の言葉や慣習を学び、参与観察やインタビューを通じて、その社会を理解することになる。この授業では、質的調査の立案から方法、分析にいたるまでの一連の具体的手法を学ぶことを目的とする。
授業概要
講義を行うと同時に、幾つかのグループを作ってテーマを考え、ゲスト・スピーカーへのインタビュー調査を実施する。なお、インタビューの前には、事前調査のために授業時間外の作業もあり得る。そうした授業スタイルに賛同できる学生が受講して欲しいと思う。
テキスト
特になし。
参考文献・課題図書
特になし。
受講生への要望
授業中に指示する。
評価方法
出席および積極的参加40%、毎回の課題30%、最終レポート30%。
授業計画
1.イントロダクション<1>:質的調査とは何か?
・「広く浅く」vs「深く狭く」?
・サーベイ調査の落とし穴(アマルティア・センの主張)
・定性的調査の利点/欠点(反人類学調査、倫理的問題など)
2.イントロダクション<2>:フィールドワークとは何か?
・エヴァンス・プリチャードの仕事、実証主義
・フィールドワークの壁(カルチャー・ショックほか)
・現地語習得、ラポールの確立
3.イントロダクション<3>:方法論の概観
・多元的アプローチ/複眼的視点の獲得
・問題意識→仮説の立て方
4.イントロダクション<4>:質的調査と社会的背景
・調査者と対象者の関係
・社会的背景/統計データを読む、地図、リモート・センシング
5.参与観察へ向けて:準備論1
・調査許可書、アクセス、放浪の旅、調査地の選定
・荷物の準備、安全への意識など
6.参与観察へ向けて:準備論2
・日常会話からの情報収集/インフォーマル・インタビュー
・調査助手の雇用
7.世帯調査について
・「世帯」とは?、世帯調査から分かること
・世帯の実態を読み解く方法
8.インタビュー調査、聞き書き、アンケートの自由回答
・インフォーマント選定、事例研究、質問の方法
・コーディング・分析、グループディスカッション
9.社会参加・直接観察
・社会運動への参加、動機、客観的観察、立場
・文化人類学との関わり
10.ライフ・ヒストリー/ライフ・ストーリーの取材・整理分析
・生活史/ライフ・ストーリーの取材・分析
・聞き手と語り手の相互作用、語る現在の状況、会話分析
・ギクユ人女性の生活史記録から
11.データ分析<1>:エスノグラフィー/ルポ/報告書ほか
・記述をめぐる問題(テクストと現実の間)、公表
・古典的民族誌解題
12.データ分析<2>:ドキュメンタリー映像の記録
・「報道写真展」を題材として:撮影、意図、説明文、社会的影響
13.実践<1>:質的データの収集
・グループ・インタビュー
14.実践<2>:質的データの解読
・データの分析、簡易報告書の執筆
15.まとめ
自由記述欄
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