コード DB52-01
系列 系列:日本史
授業科目 日本近世史Ⅱ
副題 (藩史を読み解く)
副専攻 D1
担当者 千葉 一大
単位 4
期・曜時 通年 火4
対象学年 1(B)・2・3・4年
特記事項

学習目標
 北日本地域をフィールドとし、史料を具体的に検討しながら、近世国家、幕藩関係、近世大名について理解し、もって日本近世史への興味・関心を高めることを目標とする。
授業概要
 今年度は、歴史叙述とは何か、叙述の契機は何か、という問題を取り上げる。江戸時代、大名が編纂させた歴史叙述を記述の真偽を検討しながら読み、そのような叙述がなされた経緯・理由、さらに大名が自己をいかに認識していたのか、いかなる歴史認識を有していたのかを考察する。いわば大名の「歴史の作り方」を解き明かそうという試みである。
テキスト
 随時レジュメ、講義で用いる史料を配布する。
参考文献・課題図書
 講義のなかで随時紹介する。
受講生への要望
 日本近世史に広く興味・関心を有し、講義に真摯に取り組む姿勢をもつ学生諸君の参加を歓迎する。
評価方法
 夏期休業時のレポート、後期末の試験の成績に、平常点(講義への出席・受講態度)を加味して、最終的な評価を決定する。
授業計画
1.オリエンテーション(講義内容と進め方、評価方法の説明)
2.はじめに(先行研究・研究史などの紹介)
3.歴史叙述と史料
4.最初の事例 ―徳川家の系図の作られ方―
5.藩史を読む(1) ―先祖をどう位置づけるか(1)―
6.藩史を読む(2) ―先祖をどう位置づけるか(2)―
7.藩史を読む(3) ―先祖をどう位置づけるか(3)―
8.藩史を読む(4) ―入り込む伝説―
9.藩史を読む(5) ―偽文書のもつ意味―
10.藩史を読む(6) ―藩祖像の形成(1)―
11.藩史を読む(7) ―藩祖像の形成(2)―
12.藩史を読む(8) ―戦国時代の描き方―
13.藩史を読む(9) ―統一政権との出会い―
14.藩史を読む(10) ―異民族の描き方―
15.藩史を読む(11) ―食い違う歴史―
16.江戸時代の修史事業概観(1) ―幕府の場合(1)―
17.江戸時代の修史事業概観(2) ―幕府の場合(2)―
18.江戸時代の修史事業概観(3) ―大名の場合―
19.『寛永諸家系図伝』編纂と大名(1)
20.『寛永諸家系図伝』編纂と大名(2)
21.「貞享書上」と大名
22.戦国軍記と史書
23.藩史の編纂 ―弘前藩の場合(1)―
24.藩史の編纂 ―弘前藩の場合(2)―
25.史料収集の持つ意味
26.大名の自己認識形成と藩史編纂
27.藩史の流布と伝播
28.藩主の神格化と藩史編纂
29.明治維新後の藩史編纂事業
30.結論
自由記述欄
 講義要項の執筆段階では上掲の計画を掲げるが、講義準備を進める段階、または講義開始後の状況などによって、多少の変更もあり得る。
 講義を通じ、史料をもとに歴史を研究することの奥深さを感じてもらいたい。

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