コード
HC32-01
系列
系列:美学・美術史
授業科目
美学・芸術学特講Ⅱ
副題
(20世紀の美術:ピカソからゴンサレス=トレスまで)
副専攻
H1
担当者
林 卓行
単位
4
期・曜時
通年 金4
対象学年
1(B)・2・3・4年
特記事項
授業概要
さきごろ無事に(?)終わった「20世紀」の美術について、ピカソの『アヴィニヨンの女たち』(1907年)に始まり、ゴンサレス=トレスの『無題(完璧な恋人たち)』(1991年)に終わる13の美術作品を主な手がかりにしながら、ひとつの作品につき2回程度の授業を割き、最終的に一年間をかけて、その全貌を浮かび上がらせてみようと思います。
なお難解と言われることの多い20世紀の美術、あるいは「現代アート」ですが、ここではそれを歴史的な背景などを説明することでいたずらにわかりやすくしてしまうことより、さまざまな作品の具体的な特質に焦点を当てながら、どこが難解なのかを明らかにすることに努めたいと思います。
課題・評価
各期末にレポートを課し、それによって評価したいと考えていますが、もし受講者数が多い場合(約50人を超える場合)にはこれを試験に替えます。
テキスト
とくに使用しません。
参考文献
授業中に随時指示します。
受講生への要望
最後に残った難解な部分は、じっさいに作品を見ながら自分で考えてみたい、そういう好奇心を持った諸君が受講してくれることを、期待しています。また授業中の積極的な発言を期待します。
授業計画
【前期】
0. introduction
1. 『アヴィニヨンの女たち』(ピカソ)、あるいは試金石としてのキュビスム
2. 『泉』(デュシャン)、あるいは罠としてのレディメイド
3. 『白のうえの白』(マレーヴィチ)、あるいは悲/喜劇としてのアヴァンギャルド
4. 『カサーティ侯爵婦人』(マン=レイ)、あるいは身近すぎるものとしてのシュルレアル
5. 『英雄的にして崇高なる人』(ニューマン)、あるいはアメリカ型絵画としてのカラー・フィールド・ペインティング
6. 『理性と卑俗の婚姻」(ステラ)、あるいはウルトラ・シンプルな芸術としてのミニマル・アート
【後期】
7. 『私の椅子の下の空間を型取りしたもの』(ナウマン)、あるいはそれ以上でもそれ以下でもないものとしてのアンチ・イリュージョン
8. 『ひとつにしてみっつの椅子』(コスース)、あるいは概念としての概念としての芸術
9. 『ゴールド・マリリン』(ウォーホル)、あるいは平衡状態としてのポップ
10. 『螺旋状の突堤』(スミッソン)、あるいは反ホワイト・キューブ宣言としてのアースワーク
11. 『抽象絵画』(リヒター)、あるいは絵画の死としての絵画の復活
12. 『分割された母子』(ハースト)、あるいはセンセーショナリズムの温床としての身体
13. 『無題(完璧な恋人たち)』(ゴンサレス=トレス)、あるいはグローバリゼーションの産物としての関係性の美学
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