コード
EG11-01
系列
系列:人間関係
授業科目
文化人類学特講1
副題
(開発の人類学)
副専攻
E1
担当者
石井 洋子
単位
2
期・曜時
前期 金2
対象学年
2・3・4年
特記事項
授業概要
第二次世界大戦後、「低開発」と言われた国々は、近代化や社会発展を目指すスローガンを掲げ、多くの外国政府や支援機関からの援助資金を受けつづけた。新しい世紀を迎えた今、そうした人びとの生活は向上し、「幸せ」になれたのだろうか?むしろ、援助漬けになった人びとの依存心は高まり、現地政府の汚職構造は深刻化し、貧富の差は進行しつつある。民族紛争や難民、人種差別やエイズなどの問題は、解決の見通しが付いていない。これまでの開発援助が、経済至上主義に傾倒しており、現地の人間を置き去りにしたのではないかという厳しい批判が集まっている。本講義では、「援助」=「良いこと」と信じ込むことはやめ、開発をめぐる諸相を多面的に捉えていく。
課題・評価
定期試験50%と授業中のレスポンス・ペーパー50%による総合評価。
テキスト
特になし。
参考文献
「開発と文化」岡本真佐子、岩波書店。ほか授業中に指示します。
受講生への要望
講義では、各テーマに関連する「問い」を受講者に提示し、それについて考え、自分の意見を発表してもらう時間を作ります。そこでの積極的な発言は高く評価し、成績に加味します。
授業計画
以下のような内容に則して、授業をおこなう。
(1)開発と文化人類学の接点
・開発の概念、定義
・低開発地域における開発概念
(2)開発人類学の諸アプローチ:実践人類学 vs. 非実践人類学?
(3)植民地主義と人類学の関わり:東アフリカへの目差しを中心に
(4)低開発/貧困の「発見」
・戦時中に敵国表象
・オリエンタリズムの思想
・戦後の開発主義の形成
(5)開発の功罪(シリーズ1〜3)
(6)開発をめぐる思想1:開発とジェンダー
(7)開発をめぐる思想2:開発と先住民社会、環境、観光
(8)未来論1:オルターナティブの開発
(9)未来論2:人間中心の開発
(10)調査報告:東アフリカの灌漑開発
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