コード CB82-01
系列 系列:日本文学
授業科目 児童文学研究Ⅰ
副題 (児童文学の発生と変遷)
副専攻 A2・C1
担当者 藤本 恵
単位 2
期・曜時 前期 木2
対象学年 2・3・4年
特記事項

授業概要
 児童文学史上で重要なできごとや、作家、作品について講義していく。
 「児童文学」に対しては一般に、やさしい、かわいい、良心的…といったソフトなイメージと、「読めば分かる」という油断がつきまとう。しかし、児童文学は、清廉潔白、人畜無害の文学ではなく、だからこそおもしろい。児童文学を批判的に読み、研究・分析するための基礎知識として、ジェンダーに関しても、ナショナリズムに関しても、危険な要素をはらみながら存在してきた近現代の児童文学史を学ぶ。
課題・評価
 児童文学に関わる基本的な知識を、時代や社会の特徴と結びつけて身につけることができたかを問う。
 期末試験の成績(70~80%)に、授業中に時々書いてもらう短いコメント、レポートなど(20~30%)を加えて評価する。
テキスト
 授業時にレジュメを配布する。かなりの枚数になるので、各自ファイルして管理し、授業の際に必ず持ってくること。
参考文献
 必要に応じて紹介する。
受講生への要望
 児童文字が好きだから、積極的に関わりたい、批判もできる読者でありたい、と思う学生の参加を期待します。
授業計画
①ガイダンス
:授業内容の確認
②<子ども>の発見
:明治期、学制によって、児童と呼ばれる子どもが見出されたことを知る
③巌谷小波の御伽噺
:明治の代表的な児童文学者、巌谷小波の御伽噺を読む
④明治の児童文学ベストセラー
:明治のベストセラー『こがね丸』と『小公子』を読む
⑤明治の子ども観、児童文学観
:③・④で読んだ作品をもとに、明治の子ども観、児童文学観について考察する
⑥明治から大正へ
:新たな児童文学を生む背景となる社会の変化を知る
⑦鈴木三重吉と雑誌「赤い鳥」
:大正時代の児童文学をリードした鈴木三重吉と、彼の創刊した雑誌について知る
⑧童話の流行
:代表的な童話作家、小川未明と浜田広介の作品を読む
⑨童謡の流行
:北原白秋、西條八十、野口雨情の童謡を読む
⑩童話・童謡の流行を支えた若者たち
:大正期の社会状況をふまえ、童話・童謡の流行が一般の若者たちによって支えられたことを知る
⑪昭和の円本ブームと児童文学全集
:昭和初期にまとめられた大規模な児童文学全集の功罪を考察する
⑫『小学生全集』と戦争
:児童文学と戦争の関わりを考える
⑬戦後の児童文学評論
:戦後の児童文学をリードする評論を読む
⑭現代の子どもと児童文学
:現代の子どもの状況と児童文学作品について考察する

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