2008 syllabus

授業概要

　『万葉集』の防人歌を読み直す。防人歌は過去百年あまり、東歌とともに『万葉集』の全階級的布陣の例証と見なされ、国民歌集としての万葉像を支えてきた。読みの更新を通じて認識を抜本的に変更する。

課題・評価

　成績評価は定期試験と１～２回の小レポートで行なう予定。受講生の人数が少ない場合には試験をレポートに切り換えるかもしれない。

テキスト

　伊藤博校注『万葉集　上・下』（角川文庫）

参考文献

　随時紹介する。

受講生への要望

　テキストは毎回必携のこと。また、配付資料がかなり多くなる予定なので、専用のファイルが必須である。

授業計画

　１、防人歌をめぐる問題系。
　２、防人制度と防人歌の作者層。
　３、戦時下の防人歌ブーム。
　４、入隊宣誓式の想定とその問題点。
　５、戦後の防人歌享受。とりわけ「旅の歌」という把握とその限界。
　６、難波の座における筆録と詠作の交錯。
　７、防人歌とは何か。家持は防人歌をどう捉えたか。