コード AN19-01
系列 系列:キリスト教学Ⅱ
授業科目 キリスト教学Ⅱ-9
副題 (キリスト教図像学(聖人伝)
副専攻
担当者 (前)遠山 公一・(後)大谷 公美
単位 4
期・曜時 通年 月3
対象学年 3・4年
特記事項

授業概要
 美術史の主題研究をイコノグラフィー(図像学)と呼ぶが、キリスト教美術の優れた絵画・彫刻作品を、聖人伝の主題にのっとって見ていく。中世、ルネサンス、バロックの時代の絵画・彫刻を中心として、テクスト(聖書・外典・聖人伝)、象徴・記号表現、祭壇・聖遺物などとの関わりを論じつつ、優れた絵画・彫刻作品の見方を講ずる。
課題・評価
 前期・後期に試験を行う。
テキスト
 『黄金伝説』を始めとする聖人伝など、宗教テキストを授業中に配布
参考文献
 J・ホール『西洋美術解読辞典』(吉川弘文館)、『黄金伝説』全4巻(人文書院)など
受講生への要望
 本講義は、キリスト教の基本的な知識や理解を必要とするが、あくまで美術史の講義である。柔軟な感性と観察力を養っていただきたい。
授業計画
 真摯な信仰に生き、その多くが殉教者として己の生をも信仰に捧げた者が死後に列聖され、聖人と呼ばれる。ローマ・カトリックは、多くの聖人を認めているが、彼らの姿や奇跡に彩られた一生を描いた美術作品が多く残されている。
 前期は遠山が担当し、いわゆる図像学のイロハとして、象徴表現の基本的理解および美術史の基本を「キリストの洗礼」などを例にして始める。聖人を同定するためのアトリビュート(持物)、守護聖人、カレンダーなどの役割を学んだあと、具体的に主要な聖人・聖女を紹介する。4福音書記者、12使徒、4教父、あるいは疫病に対する聖人(聖セバスティアヌス、聖ロクスなど)や、著名な聖ステパノや聖ラウレンティヌスなど、また聖女(聖バルバラや聖カタリナ、聖アガタ)などである。聖人伝との関わりや、彼らの聖遺物なども考えてみたい。
 後期は大谷が担当し、多くの聖人の中から、特に幾名かの重要な聖人を例に取り、より深く彼らの生涯と、それを描いた優れた美術作品を系統立って紹介する。聖ヨセフとマグダラのマリアを予定している。
 それぞれの作品の時代背景や教会の基本的姿勢を説明していくが、各図像表現がもつ美術的な課題に特に留意して、イメージという手段を選択した必然性やそのために生じる興味深い問題点を浮き彫りにしていきたい。
 毎時間プリント類を配布して、スライドを見ながら講義を行っていく。

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