2008 syllabus

コード	XB18-01
系列	人文学専攻(博士後期課程）
授業科目	人文学特論Ⅱ－１
副題	（デジタル時代の詩学III-1）
副専攻

担当者	扶瀬　幹生
単位	2
期・曜時	前期　月3
対象学年	院生のみ
特記事項

授業概要

　文学がすぐれた創造的情報コミュニケーションの領域であることは、人間が言葉を使う生き物である限り絶対に変わらない。と同時に、どのように創造的情報コミュニケーションを実践するか、またそれを批評するかという様態は、情報コミュニケーション媒体の技術革新によってつねに流動し、転変していく。これもまたいつの時代も同じことである。
　I(C)T革命という情報コミュニケーションにおける画期的な技術革新があって新たに見えてきたもののなかで、私がこのコースで参加者と一緒に考えてみたいのは、新しい媒体がどんな「新しい」文学を創り出しているのかということはもとより、この革命以前に慣れ親しまれてきた流儀で実践され批評されてきた文学をどのように「目新しく」、スリリングな「創造=詩学」の現場として根源的にとらえなおさせてくれるか、という問題である。

課題・評価

　実際の受講者の学年と学力に応じて決定する。

テキスト

　Marie-Laure Ryan, Narrative as Virtual Reality : Immersion and Interactivity in Literature and Electronic Media. New Edition (2003) [978-0801877537]

参考文献

・Jay David Bolter, Writing Space: Computers, Hypertext, and the Remediation of Print (2001)
・George P. Landow, Hypertext 3.0: Critical Theory and New Media in an Era of Globalization (2006)

受講生への要望

・潔く初心に立ち帰ることができるという意味での初心者向け。専門領域、経験・知識不問。
・テキスト購入の取りまとめはしないので、受講者が各自入手すること。

授業計画

　担当者の報告と参加者の討論の形でテキストを読み進める、という伝統的なゼミ形式で行うが、問題の性格上プレゼン/デモ設備のあるPCルームでこれを行う。

　参考までにテキストの各章の標題は以下のとおり:

1. The Two (and Thousand) Faces of the Virtual
2. Virtual Reality as Dream and as Technology
3. The Text as World: Theories of Immersion
4. Presence of the Textual World: Spatial Immersion
5. Immersive Paradoxes: Temporal and Emotional Immersion
6. From Immersion to Interactivity: The Text as World versus the Text as Game
7. Hypertext: The Functions and Effects of Selective Interactivity
8. Can Coherence Be Saved?: Selective Interactivity and Narrativity
9. Participatory Interactivity from Life Situations to Drama
10. Participatory Interactivity in Electronic Media

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