コード
EG34-01
系列
系列:人間関係
授業科目
文化人類学特講22
副題
(殖医療の人類学)
副専攻
E1
担当者
上杉 富之
単位
2
期・曜時
後期 火2
対象学年
2・3・4年
特記事項
授業概要
体外受精やクローン技術等、生殖技術の急激な進歩は親子や男女関係、死生観、身体観など、人類社会にとって基本的な文化的・社会的緒前提の再検討を迫っている。この種の問題に人類学はいかに取り組むことができるのか?医学や生命倫理学、法学、ジェンダー研究等の対応を参照しつつ、現代人類学の可能性を検討する。その際、特に、現在進行しつつある親子と家族の多元化・多様化に焦点を当てるものとする。
課題・評価
随時行う小テスト(40パーセントの配点)と、学期末に実施する試験(60パーセント配点)を総合して評価する。
テキスト
上杉富之(編著)『現代生殖医療-社会科学からのアプローチ-』(世界思想社、2005年)
その他、適宜指示する。
参考文献
石原 理『生殖革命』(筑摩書房、1998年)。
河口和也『クイア・スタディーズ』(岩波書店、2003年)。
金城清子『生命誕生をめぐるバイオエシックス』(日本評論社、1998年)。
総合研究開発機構・藤川忠宏(編)『生殖革命と法』(日本経済評論社、2002年)。
チョーンシー,G.(上杉富之・村上隆則訳)『同性婚』(明石書店、2006年)。
柘植あづみ『文化としての生殖技術』(松籟社、1999年)。
出口顕『誕生のジェネオロジー-人工生殖と自然らしさ-』(世界思想社、1999年)。
受講生への要望
現代社会で私たちが直面しているさまざまな文化的・社会的問題に取り組むためには、既存の学問領域を「越境」しなければなりません。先端的生殖医療をめぐる諸問題への取り組みを通してそれを実感し、受講生自らが超領域的研究に果敢に取り組まれんことを期待します。
授業計画
1.「生殖革命」と人類学
2.生殖医療(1)
-妊娠と「不妊症」-
3.生殖医療(2)
-不妊治療ー
4.生殖革命にともなう諸問題(1)
-生殖の商品化-
5.生殖革命にともなう諸問題(2)
-親子関係の確定-
6.生殖革命にともなう諸問題(3)
-生命の尊厳-
7.生殖革命への対応(1)
-マス・メディアの対応-
8.生殖革命への対応(2)
-欧米における法規制-
9.生殖医療の考え方(1)
-医学、法学-
10.生殖医療の考え方(2)
-生命倫理学、ジェンダー研究-
11.生殖医療の考え方(3)
-人類学・通文化比較-
12.生殖医療の考え方(4)
-人類学・文化史ないし社会史-
13.親子と家族に関する2つの理論
-本質主義vs構築主義-
14.新生殖技術時代の親子と家族
-「柔らかな親子・家族」に向けて-
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