コード
WA14-01
系列
人間科学専攻(博士前期課程)
授業科目
基礎心理学特論Ⅲ
副題
(目撃証言の心理学的アプローチ)
副専攻
担当者
嚴島 行雄
単位
2
期・曜時
後期 金5
対象学年
院生のみ
特記事項
授業概要
目撃証言の心理学について講義を行う。目撃証言は人間のあらゆる心理学的側面を反映する。ただ目撃証言はその性格上、記憶の働きが重要な役割を演じている。本授業では、目撃証言の信用性を規定する諸要因についての研究成果を紹介し、人間の認知、とりわけ記憶がどのように歪むのかの理解を深めたい。授業では目撃証言が重要な証拠となった実際の事件も紹介し、心理学からのどのようなアプローチがなされたか、またなされる可能せいがあるのかついても考察する。記憶の理論的研究や基礎的研究も必要に応じて講義する。
課題・評価
授業で課すレポート、出席、授業での発言等を加味して評価する。
テキスト
厳島行雄・仲真紀子・原聰「目撃証言の心理学」北大路書房 2003年
参考文献
渡部保夫監修 一瀬・厳島・仲・浜田(編集)「目撃証言の研究-法と心理学の架け橋を求めて-」北大路出版 2001年
ロフタス&ケッチャム「目撃証言」岩波書店2000年
受講生への要望
授業の中で適宜参考図書を紹介するので、それらの資料も読んで理解を深めて欲しい。また実際の刑事事件の裁判を傍聴すると司法制度の実際がよく理解できるので、是非一度、傍聴されたい。大学院の授業なので、研究における理論的側面の説明も行うので、その理解に努力して欲しい。
授業計画
1.目撃証言とは何か-具体的事件を通して目撃証言について知る-
過去、目撃証言が主な証拠として採用されたために起こった冤罪事件の分析を通して、目撃証言の危険性を考察する。
2.目撃証言研究の歴史的背景
Munstreberg,Binetの目撃証言研究
1970年代以降の目撃証言研究 西欧諸国における発展
3.目撃証言に関与する様々な要因
推定変数と推定変数
4.記憶の区分に基づく要因の分類
5.目撃証言の心理学研究法
アーカイブ法
調査法
実験法
実験室実験とフィールド実験
6.目撃証言における推定変数とシイステム変数
7.記憶における事後情報効果
8.情動と記憶Ⅰ
9.情動と記憶Ⅱ
10.語法効果
11.事後情報効果
12.目撃証言への社会的影響
13.目撃証言の取り扱いに関するガイドラインのあり方イギリスのPACEに学ぶ
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