授業概要 |
複雑な民族構成を特徴とする中東・イスラーム世界にあって、とりわけ複雑な民族構成を有するイラン・イスラーム共和国における「イラン人アイデンティティ」形成を巡る問題は、近年、イラン本国でも強い関心が寄せられている。本講では、イラン・ナショナリズムに関する古典的名著ともいえるRichard W. Cottam, Nationalism in Iran (University of Pittsburgh Press, 1979) を読み解きながら、国民国家イランにおける「民族」(特に宗教的マイノリティ)と「国民」を巡る諸問題を検討する。 |
課題・評価 |
基本的には演習形式を取るので、そこでの報告の達成度と、議論への積極的参加の度合いが評価基準となる。 |
テキスト |
当方で用意。 |
参考文献 |
八尾師 誠著、『イラン近代の原像』、東京大学出版会、1998年、ほか。 |
受講生への要望 |
19世紀以降のイラン近現代史のおおまかな流れを頭に入れておくこと。 |
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授業計画 |
本特講は、基本的にはゼミ形式を取り、当該問題に関する英文のテキストを読み解きながら、問題点を抽出し、それを巡って議論を積み重ねてゆく。毎回輪番制で、テキストの邦訳と関連事項の下調べを受講者に課し、その報告をもとに議論を進める。その際、議論の凝集度を高めるとともに、議論自体のおおまかな道筋をつけるために、毎回、議論の核となるキーワードを設定する。想定されるキーワードとしては、以下のようなものがある。 1:国民国家 1:ナショナリズム 1:多民族国家 1:アーリア人仮説 1:イラン・ザミーン 1:シーア派イスラーム 1:宗教的マイノリティ 1:イラン人とペルシア人 1:イランとペルシア 1:オリエンタリズム 1:イスラーム共和国 1:憲法と国教
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