授業概要 |
ローマ社会における初期キリスト教の具体像について、前期は成立期のキリスト教の歴史的背景としての初期ローマ帝国の歴史について、後期はキリスト教と当時の社会の社会観、倫理道徳観等の比較を通じて、キリスト教の見解は当時の社会一般の見解とどう異なっていたか(或いは共通していたか)といった問題について考えていきたい。 |
課題・評価 |
出席状況と前・後期試験 |
テキスト |
授業時にプリント資料を配布する。 |
参考文献 |
島 創平『初期キリスト教とローマ社会』新教出版社、2001年、1800円 松本宣郎『ガリラヤからローマへ―地中海世界をかえたキリスト教徒』山川出版社、1994年、2700円 |
受講生への要望 |
真面目に出席して下さい。 |
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授業計画 |
「ローマ帝国とキリスト教」というタイトルから直ちに想起されるのは、キリスト教徒迫害の問題であろう。通説では、キリスト教徒はローマ皇帝礼拝を拒んだため、「暴君ネロ」をはじめ、歴代のローマ皇帝により残酷に迫害されたといわれる。こうした通説は果たして正しいものなのだろうか。また初期キリスト教の考えは当時の社会にあって、どのくらい独自なものだったのだろうか。このような問題について考えていきたい。
・授業計画―以下のようなテーマについて検討する。 I.前期:歴史的背景と通説の再検討 (1)初期キリスト教の宗教的背景―ヘレニズム諸宗教の特質と傾向 (2)初期キリスト教の歴史的背景―ローマ元首政の特質 (3)「暴君ネロ」の再検討 (4)キリスト教徒迫害と皇帝礼拝の再検討 II.後期:キリスト教と社会 (5)キリスト教と奴隷制 (6)キリスト教と性倫理 (7)キリスト教の女性観 (8)キリスト教のローマ帝国観 1つのテーマに約2〜3回の講義を当てたい。またテーマの順序は大体上述した通りの予定であるが、特に後期は変更もあり得る。
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